●一般質問
「時代の変化に臨機応変に対応できる豊島区を目指して!」
無所属の会 ふるぼう 知生
無所属の会、ふるぼう知生でございます。私は今定例会において「時代の変化に臨機応変に対応できる豊島区を目指して!」と題し、一般質問をいたします。高野区長を始め、理事者の皆様の前向きな答弁をご期待申し上げます。
最初に、コロナ禍における区財政の考え方について質問をいたします。今年の初めから新型コロナウイルス感染症が全世界で猛威を振るい、直近の報道では、一日の新規感染者数が日によっては30万人を超え、累計でも3000万人を超えたとのことです。そして死亡者数については97万人を超えたとの報道に触れました。日本国内に目を移しますと、相変わらず国内の一日の新規感染者数は時に500人前後と多いものの、死亡者数・重症者数が急激に増加していないことから、昨今ではニュースであまり取り上げられることも少なくなっていますが、まだまだ予断を許さない状況であることは間違いありません。欧米を中心として世界各国では都市封鎖、ロックダウンという策を講じ、全面的に経済活動を停滞させ、日本でも休業要請を行い、経済活動をある程度ストップさせ、新規感染者数や重症者数並びに死亡者数の増加を防いできました。そのような中で当然のごとく、世界経済、そして日本経済においても甚大な影響がもたらされ、内閣府が8月17日に発表した4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で27.8%減という衝撃的な数字を示しました。この成長率のマイナス幅は比較可能な1980年以降で最大であり、事実上、戦後最悪の落ち込みです。コロナ危機が国内経済に与えている打撃の大きさが浮き彫りになった瞬間でした。このような状況下で、国はもちろんのこと地方自治体も来年度以降、何年にも及ぶ税収減が予想される非常事態となってしまいました。
この状況を受けて、区としても早速今年度予算の中で、行われなくなったイベント・事業を中心に減額補正を、既存の計画や既定の事業についてもその見直しに着手せざるを得ない状況となりました。
池袋西口公園野外劇場関係経費や観光イベント支援経費など、多くの文化施策を中心とした事業が中止に追い込まれ、減額補正が余儀なくされましたが、これまでに発表されている事業以外にも、更に予算の削減が決定した事業があればお知らせください。この減額補正や事業の見直しを実行するための判断基準として不急の事業ではないものという観点を考えると思うのですが、それぞれの事業において、決定に至るまでの経緯もあります。もちろん、税収減が予想される中、豊島区も予算を厳しく査定する姿勢も理解は致します。しかし、今後の予算のカット・或いは事業の先送りの判断について、しっかりとした説明責任が求められると思います。区はこのことについてどのように考えているのでしょうか。区における事業の予算のカット、或いは事業の先送りの為の判断基準はどのようなものなのか、そしてそのように今後判断するものについては具体的にはいつ頃までに公表されていくのかも併せてお知らせください。そして、このような財政状況にある事を区民の皆様と共有することも大切であると考えます。今後数年間の豊島区の財政状況の見込みについて区民の皆様に理解をしてもらう機会も必要であると考えますが如何でしょうか。コロナ禍にあって、限りある予算を、より効果的に使うための説明責任、そして区民との意識の共有が大切であると思いますが区のご所見をお願いします。
次に公共施設の整備として、以前に一般質問で検討を依頼した内容、更には新しく出没してきた問題について質問をいたします。まず、としまみどりの防災公園、イケ・サンパークの整備についてです。
7月11日に一部オープンしたイケ・サンパークですが、当初は少なかった来園者も日を追うごとに増加し、先日9月20日の日曜日、公園には午前中から多くの子供連れのファミリーが見られ、美しい緑色の芝生が見えないくらいの賑わいようでした。コトポートと言われる小型店舗も開店しており、以前よりも多くの方々が来られていた要因だと感じました。
キャッチボールをする親子、バドミントンを楽しむ女の子たち、レゲエ音楽に興じる男の子たち、芝生に寝転ぶ人、あるいは芝生上でピクニックのように昼食をとる親子、ベンチに座って読書をする人、様々な光景が見て取れました。より良い公園を作るためのワークショップに参加し、議論をしたときに、「いろいろな人々が自由にのびのびと遊んで楽しめる公園」というコンセンサスが作られましたが、それが実現されていて嬉しくなりました。
ホームページを見ると、イケ・サンパークのグランドオープンは「秋を予定!」と書いてありますが、具体的にどのような予定となってきているのでしょうか。南池袋公園での例に見られるように、カフェレストランが完成すれば、更に多くの方々が来られると思いますし、逆に密な状態を作りはしないかと心配になってしまうほどの週末の盛況ぶりでした。完成に近づいているこの公園の今後のタイムスケジュールについてお知らせください。そして期待されているカフェレストラン、そしてコトポートですが、どのような内容になっている、あるいはなる予定なのかも併せてお知らせいただきたいと思います。
そして、多くの方々が来られれば、必然的に自転車の駐輪場における駐輪可能台数の不足、あるいは暫定駐輪場への駐輪台数の多さが目に付いてくるようになります。今は、イチョウ並木のある通りの脇、東京国際大学建設予定地との境にある壁の近くに暫定駐輪場が設けられていますが、9月26日から近隣のキッズパークが開園されるとイケバスがこの暫定駐輪場の近くを通過するために、バスにとっても来園者にとってもお互いに危険な場所となり、安全性が担保されません。一方で最初から用意された駐輪場は駐輪可能台数も少なく、すぐに埋まってしまうのが現状です。この自転車の駐輪場のミスマッチの状況を改善する必要性があると思いますが、今後どのように改善するおつもりですか。安全性の確保という観点からのご見解をお願いします。
また、この公園においては来園時の利用のルールが少なからず決まっていない、あるいは決まっていてもその周知があまり知られていないように感じます。利用者全員が納得する公園内のルールを決定することは大変難しい作業であることは重々承知をしておりますし、最近の公園は、できないことを明文化するよりも、地域の方々と共に考えてコンセンサスを作り、できることを増やしていくということに重点を置いていることは理解をしますが、例えば、「犬や猫などのペットが芝生内で出してしまう糞尿については、どう考えているのか?不衛生ではあるから出入り禁止にしないのか?」という現実にあるお声についての対応方針は決定しているのでしょうか。公園内にはペットの糞尿については責任をもって処理して欲しい旨の表記はありますが、現状糞はともかく尿については芝生ということもあり、そのままなのだろうなと思われ、多くの方々から何とかしてほしいというお声が上がっているのも事実です。ペットもわが子同様に考え、広い公園で自由に遊ばせたい方々にとって、この公園は本当に待ちに待ったものであることは理解しますが、環境・衛生的な観点からみんなが納得できる、そしてみんなで楽しめる明確なルールを決めて実行してもらわなければなりませんので、周知徹底を含めて区の対応をお願いいたします。
このほかにも、区のほうにはいろいろな苦情・相談が寄せられているかと思います。そのお声に対して、これまでどのように対応してこられたのかも併せてお知らせください。区民のお声を取り入れながら、誰からも愛される公園を目指してほしいと思います。
先に問題点について申し述べましたが、逆に、このイケ・サンパークにはカフェレストランやコトポートのほかにもまだまだアピールできる事柄があると思います。それは管理棟内に衛生的で設備が充実した授乳室があること、そして大変清潔で美しいトイレが完備されていることです。若い子育て世代を意識した授乳室、そしてトイレにこだわりのある高野区長だからこそ成しえた清潔感あふれるトイレ、ぜひともこの公園をPRする材料として活用し、子育て世代のご家族にも愛される公園になるようお願い致します。
そして、これからグランドオープンがされるに当たり、イベント等の使用ということも出てくることかと思います。その際のルール作りに関してどのような検討が成されているのか、一部オープンとなってから現在に至るまでの公園の使い方と若干違ってくる部分があるのではないかと思います。これまでの検討状況、今後の予定についてお知らせください。そして、私が昨年の第三回定例会の一般質問で言及したオリンピック種目にもなっているスポーツを交えたストリートカルチャーのイベントですが、コロナ禍にあり中々難しい状況であるかとは思いますが、今後の開催の可能性についてもお知らせください。この公園は無限の可能性を秘めていると思います。時代は刻一刻と変化し、気が付いてみたら新しい時代になっているという事を私達は体験して来ました。スポーツの世界においても新種目が次々に誕生し、流行するスポーツも時代と共に変化してきています。そのような意味でも、新しい時代に臨機応変に対応できる、そしてそれを受け入れられる、そんな公園であってほしいと思います。
次に、豊島区立総合体育場の、特に管理棟の再整備についてです。ご承知の通り、この総合体育場は長年、豊島区のスポーツ施設の中心場所の一つとして多くの区民から利用され、愛されてまいりました。軟式野球はもちろん、ソフトボール、テニス、和弓、アーチェリー、そしてフィットネス教室や卓球なども行われています。この施設も時代と共にかなり古くなり、建て替えの時期をとっくに迎えていましたが、財政状況に鑑み、再整備の時期が定まっておりませんでした。しかしながら、多くの方々の情熱と運動により、ついに管理棟の再整備の検討が開始され、具体的な整備方針が関係者に伝えられていたのですが、昨今の経済状況の影響を受けて、極端な税収減が現実味を帯び、不急な整備として延期する方針があるという情報が飛び交っています。税収減からくる計画の見直しは理解できますが、それまでの説明から大きく方針が変わることから区内の未来におけるスポーツ施策全体への影響を危惧する声が出ております。多額の予算が必要となってくる整備計画であることから区が予算化と事業の遂行に慎重になることも理解しますが、それによってスポーツ施策に多大な影響を及ぼすことも考慮しなければなりません。ぜひともこの管理棟の再整備に関してはこれまでの計画を維持して欲しいと考えますが、区の現在におけるご見解をお聞かせください。
さらに、道路も公共施設の一部であると考えれば、私が昨年の第三回定例会の一般質問で、文京区において坂下通りのバリアフリー化計画があり、道路が通じている豊島区側の坂下通りのバリアフリー化もしないと効果を発揮することができないと提案し、豊島区側についてもバリアフリー化を進める旨の答弁を頂きました。こちらについても計画自体がどうなってしまうのか不安になります。もちろん文京区側において計画変更があるのか、ないのか、ないとしたら豊島区も変更しないのか、現時点における見解をお知らせください。またそうすると、坂下通りは先ほど述べたイケ・サンパークの隣の道路とつながり、都電からイケ・サンパークにつながる道路の整備も気になるところです。周辺の道路整備も考えたときに、整備計画に変更が出てくるのかどうなのかも合わせてお知らせください。いずれにしても、文京区側の計画と齟齬が生じないように文京区側と豊島区側が同じ時期にバリアフリー化され、一つの道路が繋がるような整備を要望いたします。
最後にその他として、大塚駅北口の客引きの問題について質問致します。
大塚駅北口の整備工事が進み、先日は「光のファンタジー」の演出効果を確認するライトアップも試験的に行われ、北口への注目度が更にアップするだろうと予測されています。夜は“暗い街”というイメージから脱する為に、そして「夜でも明るく楽しめる街」をコンセプトに「光のファンタジー」のオブジェが作られていますが、季節ごとや時間ごとの色の変化が今後どのような評価を受けるのか、そして大塚北口を訪れた方々が北口商栄会のみならず折戸通り商店会にまで足を運んでくれるのか期待に胸を膨らませているところです。
ところが、その大塚駅北口にもここ数年悩ましい問題が解決されないまま存在しています。大塚駅北口や大塚北口商栄会の入り口等に若い男女が客引き行為を堂々と行っているという事実です。
豊島区は平成27年に豊島区客引き行為等の防止に関する条例を制定し、客引き行為等に対する規制を先駆的に強化してきました。そもそも平成24年に豊島区生活安全条例を改正し、区内において居酒屋、カラオケボックス、風俗店などによる客引き行為、路上スカウト行為等を禁止しましたが、警察や区に対して客引き行為等に対する意見や苦情が多数寄せられていたことからこの条例を制定した経緯があります。そのように規制を強化した条例ですが、条例制定から現在に至るまで、どのような効果があったと区は考えているのでしょうか。また第8条に「区長は条例の第5条及び第6条に違反する行為をしていると認める者に対し、当該行為をやめるようまたは従業員への注意、監督等を行うよう指導することができる。」と書いてありますが、区がそのような指導をした事例はいくつあったのか、また第9条に書かれている警告、第10条に書かれている勧告を行った事例、更には第11条に書かれている公表されるまでに至った事例はいくつあったのかも併せてお知らせください。
そのように厳しい行動をとっても、現実においては大塚駅の北口にも、そして大繁華街である池袋においても客引き行為は依然存在しています。地域の皆さんがチームを組み、警察と連携して定期的に環境浄化パトロールを熱心に行っても、その実態は残念ながら根本的な解決を得るまでには至っていません。いやむしろ、鼬ごっこの様相を呈していると感じざるを得ないのです。区はその原因はどこにあるとお考えでしょうか。
ライトアップをし、「光のファンタジー」を作り出し、せっかく「夜でも明るく楽しめる街」というイメージを創出したとしても、商店街の入り口に違法である客引き行為が堂々と行われているようであれば、その効果も半減してしまいますし、むしろイメージダウンにもつながりかねません。区は現在の大塚駅北口でのこのような現状をどのように認識しているのでしょうか。そしてこれまでにそのことに対してどのような行動をとってきたのでしょうか。
コロナ禍にあって、どの店舗も売り上げを伸ばそうと必死になることは想像に難くありません。できることなら声をかけてお店の実績を伸ばしていきたいと思うのも人情としては理解できます。しかし全体として街のイメージダウンになるような客引き行為についてはルールを厳守してもらうようにしてもらいたいのです。これが出来なければ条例における、さらなる規制強化も考えざるを得なくなると思います。現在までの条例による対応状況を鑑みて、今後の条例の在り方、あるいは街づくりという観点からそもそも性風俗の店舗自体をビルに入居させないようにする等、何かしらの解決方法を模索してもらいたいと思いますが、区のご見解をお願いします。自由と人権を守るということとルールに従ってもらうことはともすれば相対立することになります。難しい問題であることは重々承知しておりますが、大塚や池袋を始めとした街の輝ける未来のためにお願い致します。
以上、これまで一般質問で要望してきたことの進捗状況の確認、更に新たなる問題についての解決策について質問をさせていただきました。
豊島区においては本来予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催を機に開花するようにスケジュールを組み、巨額を投じて投資事業を行ってきましたが、現在はその投資事業が蕾のままで開花できないでいる状況、もしかしたら嵐がきて、その蕾が開花しないまま落ちてしまうような状況であると言えます。巨額の税金をかけているだけに失敗は許されません。ですから、今後の予算の使い方には慎重を期してもらいたいと思います。しかしながら一方で、地域の皆様や関係者の皆様にすでに予算化し、いつまでに整備すると説明してきた責任もあります。大変に難しい判断・舵取りではあると思いますが、今こそが豊島区職員の皆さまの英知を結集する時ではないでしょうか。
コロナ禍においては大変に大きなマイナスを生じましたが、一方で大きな、そして新しい変革をもたらす契機になるとも感じております。だからこそ「時代の変化に臨機応変に対応できる豊島区」となる事を、そしてそのことにより、更に希望に満ちた豊島区となることを願いつつ私の一般質問を終了いたします。ご清聴誠に有難うございました。