●一般質問
「公僕としての自覚をもって任にあたろう!」

平成30年2月21日  豊島区議会議員 ふるぼう知生

 豊島刷新の会、ふるぼう知生でございます。私は「公僕としての自覚をもって任にあたろう!」と題し、豊島区シルバー人材センターに関する質問一本に絞って一般質問をいたします。高野区長を始め、理事者の皆様の前向きな答弁をご期待申し上げます。
 皆様もご承知の通り、公益社団法人豊島区シルバー人材センター(以降はシルバー人材センターと略します)は、前身である豊島区高齢者事業団の設立から数えてすでに設立42年目を迎える、歴史ある団体です。働くことを希望する多くの高齢者の方々に、健康維持はもちろんのこと、社会参加の場を提供するとともに、地域社会に大いなる活力を創出するというたいへん重要な役割をこれまで果たしてこられました。歴代会長を始めとする役員の方々、そして会員の皆様の長きにわたるご努力に深甚なる敬意を表します。
 さて、シルバー人材センターでは、平成25年度から平成29年度の5か年にわたる中期計画を策定し、それに沿って事業を展開していることと思いますが、その最終年度である平成29年度も終わりに近づいており、目標を達成しているのかが気になるところです。
 中期計画では(1)会員の組織力の向上と魅力あるセンターづくり(2)受注の拡大と就業率の向上(3)事故防止施策の推進と安全意識の徹底(4)財政基盤の確立(5)会員の活動を支える環境の整備という5つの重点施策を定めていますが、その各々について、目標をどれくらい達成しているのでしょうか。具体的な数値的根拠をあげてご説明ください。外郭団体であったとしても、公金を投入し、人員を送り込んでいる以上、施策の達成が求められることは論を待ちません。中期計画の終わりに当たって、達成したこと、あるいは未達成であるならばなぜそうなのかも併せてお答え頂きたいと思います。
 更に、中期計画が終了するにあたって、次なる計画を策定するお考えはありますか、あるのであれば、それはどのような人たちからなる、どのような検討機関をもってどのようなスケジュールで策定されるのかもお知らせください。
 ここからはかなり具体的な質問となります。先日、シルバー人材センターのある会員の方からご相談をいただき、様々なご質問やご指摘を頂きました。法律や定款、更には内部の規則に関わることでありますが、少なくとも私はその方の主張は、かなり的を得ているのではないかと思いましたので、この場でシルバー人材センターの運営等に対して質問をし、反省点があれば今後の運営に生かしてもらえればと思い、個人的な問題というよりも今後の組織の発展に寄与すればとの想いでこの場に立っていることをご理解頂きたいと思います。
 その方(今後はAさんとします)の相談によりますと、Aさんは以前民間会社に長年勤務しており、退職後にシルバー人材センターの会員となりました。民間会社での経験を活かして、シルバー人材センターがより良くなるために少しでも貢献したいと思ったAさんは、まず広報委員会に所属し、組織の為に様々な提案してきたそうです。しかし中々その意見が反映してもらえないと感じたAさんはシルバー人材センターの理事になれば意見がより反映されるのではないかと考え、理事になるにはどうしたら良いか職員に尋ねました。すると理事に立候補する旨を書面に書いて提出すれば良いとのことで、言われたとおりにしました。その後理事会が開かれたのですが、驚いたことにAさんのもとに理事候補者として認めない旨を知らせる通知がきたのでした
シルバー人材センターの定款第18条3項では、「理事または監事を選任する議案を決議するに際しては、候補者ごとに第一項の決議を行わなければならい。理事又は監事の候補者の合計数が第22条第1項に定める定数を上回る場合には、過半数の賛成を得た候補者の中から得票数の多い順に定数の枠に達するまでのものを選任することとする。」とあります。定款に沿った運営がされていないとAさんは思い、そのことに対して異議を唱えるべくシルバー人材センターの職員に話すと、定款ではなく、理事会運営規則を運用しているという答えが返ってきました。理事会運営規則では、第11条第1項、「理事会は、次の事項を決議する」として「(3)理事及び監事の選任」となっていますが、たとえ理事会運営規則であっても、定款を逸脱した運営がなされてはいけないと思いますし、もしシルバー人材センター側の論理がまかり通るということであれば、理事会の中で自分たちが好ましくないと思われる人に対しては理事候補者となることを認めないということが許されることになり、せっかく民主制を担保した前述の定款の意味がなくなってしまうことになります。
Aさんは、さすがにこれはおかしいと思い、豊島区の法律相談において弁護士に相談をし、定款と理事会運営規則、そして法律と事務局の対応について問題があることが認められるとの答えを得ました。さらにそこで内閣府や法務省での相談を紹介され、そちらでも今回のケースはシルバー人材センターが法律に沿った形での運営が行われていないのではないかとの回答を頂き、そのことをシルバー人材センターに伝えると、その後は業務の支障になるので、もうメールを送ってくれるなという返事が返ってきたとのことでした。そのメールのやり取りのコピーも資料として頂いているので、これまで述べてきた経緯は事実であることは疑いもありません。そこで質問します。今回紹介した事案に関して、定款と理事会運営規則の関係性について豊島区はどのように考えていますか。また、定款から逸脱した理事会運営規則の運用であるとするならば、これは改めなければならないと思いますがいかがでしょうか。答弁をお願いします。
他にも言及したいことは多々あります。Aさんから見ると、シルバー人材センターが策定した中期計画に沿った事業の展開になっていないとの思いで、そのことを職員に指摘したところ、職員からは「中期計画自体がそんなに精度が高いものではない」として、中期計画自体を明らかに軽視する発言があり、それでは何を指針として事業を行っているのかと職員を尋ねると、その職員は急に敬語を使うのを止め、パワハラまがいの言葉を浴びせかけてきたそうです。その時の音声テープが残っていましたので私もそのテープを聞かせてもらいましたが、それはひどい言葉使いと言わざるを得ませんでした。
シルバー人材センターの指導的立場にある職員が、その事業を行う上で中心に据えなければならない中期計画を軽視し、しかも自分が批判されたように感じると、一般会員(もちろん豊島区民です)に対して敬語を使わず、パワハラまがいの言動になる。シルバー人材センターは豊島区から税金が投入されています。毎年どれくらいの予算が計上されているのでしょうか。そしてそのうち人件費がどれくらいを占めるのかお答えください。投入している税金の多くが人件費であり、結果として策定した計画の目標到達度が低いということであるならば、税金の無駄遣いといわれても仕方がありません。そして、私はたとえ外郭団体であったとしても、一般の方はその職員を豊島区の職員と見ると思います。ですから公僕としての意識を失っては絶対にいけないと思うのです。是非豊島区は私が今回提起した問題について調べていただき、見解を述べてもらいたいと思います。そして、報酬を税金から得ている人間は我々議員もそうでありますが、公僕という意識を常に持たなければならないと考えます。公僕とは、「広く公衆に奉仕する者」とどの辞典にも書いてあります。区民に奉仕する者としての使命と責任を忘れずに行動してもらいたいものです。
Aさんは2016年及び2017年時のシルバー人材センターの総会の時の音声テープや、個人的に職員と面談した時の音声テープを持っておられます。総会の時に疑義を訴え、様々に問題提起をしているにもかかわらず、その職員は総会の時に逆切れし、総会に参加していた会員の方々を先導して、「私は全身全霊をもってシルバー人材センターを良くしようと努力している。一人の人が私に対して誹謗・中傷している。」と言いながら、自分に対する賛同を求め、Aさんをほとんどクレーマー扱いしている状況なども聞くことができました。一般会員の方は背景が分かりませんから、ただその職員が言う通りにAさんを非難する声も出ていました。より良い組織にするために、勇気をもって行動した結果、組織からはじき出され、クレーマー扱いされる。Aさんの人権問題にも及ぶのではないかと心配をする次第です。
豊島区の多くの公務員の方々は真面目に任務を遂行していることを私は知っております。しかしながら、今回の例にみられるように明らかに上から目線で、公僕としての姿勢に欠けた方もいらっしゃるのは大変に残念なことです。私の今回の一般質問を受けて、全ての職員の皆さんが初心に帰り、公僕として、「広く公衆に奉仕する者」として使命と責任感をもって任に当たってくださることを心から願いながら私の一般質問を終了いたします。ご清聴まことにありがとうございました。