豊島刷新の会 ふるぼう知生でございます。今定例会において私は、「未来においても、輝ける豊島区を目指して!」と題しまして、1.仮称豊島区新ホールについて、2.熊本地震について3.リノベーションまちづくりについて4.子宮頸がん予防ワクチンについて一般質問いたします。高野区長はじめ理事者の皆様の明快な答弁を期待いたします。
今年の7月28日、私は豊島区無所属元気の会小林弘明議員とともに、九州は福岡市の博多座と久留米市の久留米シティプラザを視察して参りました。今年3月に行われた予算特別委員会において、私は文化施策であるからと言って、赤字を前提に考えるのではなく、赤字を出さないような工夫をすべきだとし、仮称豊島区新ホール(以下、新ホールとします)の建築計画や運営計画はどの施設を参考にするのかと尋ねた時に、区の答弁では前述した施設を挙げていたからです。
今回、文化商工部の皆様のご配慮をいただき、両施設とも無事に見学と意見交換をすることができましたことを心から感謝申し上げます。
まず、博多座でありますが、座席数は九州最大級の1454席となっており、西日本地域の演劇文化の振興を目的として、歌舞伎・ミュージカル・商業演劇など多彩なジャンルの演劇を月替わりで公演する施設である一方、毎年12月には「市民檜舞台の月」として、一般の方々にも開放しています。運営は福岡市と演劇興行企業・地元企業の出資による第三セクター企業としての株式会社博多座が行っていました。
舞台や観客席、さらには楽屋そして舞台道具の搬入口等もこの目で見させていただき、そのスケールの大きさや、あらゆる演劇ジャンルに対応できる演劇専用劇場としての存在感に圧倒されました。その日は公演がなく、次の日に個人的にチケットを購入して、演劇と歌謡ショーも拝見しましたが、音響や照明による効果も格別なものがあり、舞台と会場の一体感が溢れる素晴らしい公演でした。
博多座を視察した後に、久留米シティプラザに伺いましたが、この施設は久留米市の直営となっており、市民の要望にできる限り応えようとヒアリングを重視したことが一目で理解されるような施設でした。中には4階席まで1514席を有するザ・グランドホールに始まり、高い吹き抜けもある展示室や日本古来の伝統美が表現されている和室、使い勝手の良いスタジオ、更には人数に合わせて使用できる多目的会議室など、市民のありとあらゆるニーズに対応できるような施設となっていました。また、空いている空間にはテーブルやソファーでくつろげるスペースがあり、ライオンのテーブルやウサギの椅子が子供たちに人気のカフェなど居心地がとても良い空間が用意されていて子育て世帯に大人気でした。天気に関係なく、また時間にも影響されることなく、市民の皆様が気の向いた時に時間を気にせずのんびりとできる、そんな「街中のみんなの居場所」を目指しているということでした。
今年の4月27日に開館したばかりの施設ということもあり、真新しさはもちろんですが、子供を通じた親御さんたちの新しいコミュニティーの形成も感じとることができ施設が生み出す効果にも希望を感じた次第です。
さらには、この施設が市街地再開発事業と結びつき、商店街の活性化にも一役買っているということも大切な視点だと感じました。
そこで質問をいたします。まず、豊島区にとって現在計画されている新ホールにおいて、前述の両施設が参考になる部分はどの辺にあると考えているのでしょうか。
第三セクターの運営と市営の違いがあり、久留米シティプラザよりは博多座のほうが、劇場内においてたくさんのお店が出店され、ビジネスが展開されており、お金が落ちるような工夫がされていました。できる限りバックマージンを取ることによって、少しでも利益が上がるような意思が感じられましたが、私はこの観点こそ豊島区が進める新ホール整備計画においてもとても重要な観点だと思っております。すなわち、先に申し上げました通り、文化施策だからお金儲けができないと諦めることなく、少しでも収益を上げる工夫が必要であるという視点です。本区が進める計画では収益を上げる工夫という点についてはどのように考えているのでしょうか。本区が示した完成イメージ図などを見る限りにおいては、あまりそのようなスペースは作り出しにくいと感じますが、できる限り少しでも収益が上がる工夫をすべきと考える次第です。
さらに、久留米シティプラザにおいては、建設する前に市民のニーズや希望をしっかり把握して、様々なジャンル、あるいは年代の方々が使用することができるようにしていて、まさしく文化交流施設であると感じました。新ホールの整備計画を練る際にも区民の各界各層の方々をお呼びしてご意見を伺い、それを反映しているということは承知していますが、新ホールにおいてはどのような点が区民のご意見として取り上げられたのでしょうか。
また、区長は「女性にやさしいまちづくり」として隣の区民センターも改修し、女性専用のトイレを充実させるという案も発表されていますが、一歩進んで子育て世帯がこの新ホール周辺の施設に来ることを契機として親御さん同士、同じ立場で共通問題を話し合ったりできる新しいコミュニティーを形成するような場所としていくべきと考えますがいかがでしょうか。私は久留米シティプラザでの子供たちと親御さんが集まるカフェのある空間を見て、豊島区の目指すべき理想像がここにあるとの想いを強くしました。ぜひとも検討をしてもらいたいと思います。
更には、この新ホール整備計画が地元商店街の活性化に果たす役割についても区がどのように期待をしているのかもお教えください。
そして、老婆心ではありますが、舞台道具の搬入口について、豊島区はどれ位の規模を考えているのでしょうか。素晴らしい舞台を作り上げるには、大きな道具を出し入れする搬入口をどのくらいの規模にするかが非常に重要な視点となります。国内のある施設においては、著名な方に設計を依頼し、その方に任せっきりにしてしまったがゆえに、外側から見たならばその美しい景観にうっとりする劇場であっても、搬入口の設計に失敗したおかげで、非常に使い勝手が悪い状況になっているというお話も聞いたことがあります。新ホールの搬入口の設計においては、そのような問題はクリアーされているのでしょうか。念のため確認をさせていただきたいと思います。私の地元にある南大塚ホールにおいては、搬入口が二階に作られていて、搬入・搬出が非常に不便な状況になっております。構造上仕方がないとの意見もありますが、今後のことを考えると改善ができないものかというご指摘もいただいております。そのような身近な所でも問題が見受けられるわけですから、慎重には慎重を期していただきたいと思います。
次に熊本地震について質問いたします。今年の4月14日、午後9時26分に熊本県と大分県で大規模な地震が起こりました。この場をお借りして改めて震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。そして一日も早い復旧・復興を願っております。
当時、地震速報を見聞きしたときに、九州でもこのような大地震が起こるのか?とわが目、わが耳を疑った方も多いのではないでしょうか。それほどこの熊本地震は衝撃的なものでありました。さらには、本震だと思われた震災が実は前震であり、余震も落ち着いたと思って実家に戻っていた際に本震が来て、更に被害に遭遇してしまった方々もいらっしゃり、地震には私たちの理解を超えた様々な形態があることをまざまざと見せつけられました。さらに、この時の経験により公的に用意された施設で宿泊することを恐れ、自分が所有する車で寝泊まりをする、いわゆる車中泊をする方も多くいらっしゃったということも熊本地震の特徴として挙げられると思います。
わが豊島区においては、高野区長と大西熊本市長の個人的なつながりにより、その当時において必要な物資を迅速にお届けすることできたとの報告もありましたし、また地方自治体としてはいち早く熊本地震に関する募金活動を開始し、すでに熊本市長にも高野区長から直々に義援金がお届けされております。さらには、文化施策を推進する豊島区らしく熊本県民の心の礎になっている熊本城を修復させるための募金活動も開始しており、まさしく被災者の気持ちに寄り添った支援を行っていると理解をしているところであります。そこで質問をいたします。これまで言い尽くされてきたことかもしれませんが、この熊本地震において豊島区が学んだことはどのような内容ですか。そしてそれは今後の豊島区の防災という観点においてどのように生かされてくるのでしょうか。
私は、先ほど紹介しました博多座や久留米シティプラザの視察を終えてから、レンタカーを借りて福岡から熊本まで移動し、翌日には熊本城から宇土市役所、そして熊本地震においても最も被害が大きかったといわれる益城町、さらには南阿蘇郡の地滑りによって崩落してしまった阿蘇大橋の近隣まで視察をしてまいりました。どの場所における光景も凄まじく言葉を失いましたが、特に益城町の光景は想像をはるかに超えていました。街のメインストリートの両側の民家がほぼ全滅の状態で、今にも崩れて道路に倒れてくるのではないかと思われるような状況でした。
益城町のボランティアセンターでは、事務局次長の方ともお話をしてきました。豊島区からも時々連絡があり、心配をしてくださっていることに感謝をしているということで、とても一区民として嬉しく感じました。私もボランティア活動をしたかったのですが、朝8時半から受付をして30分もたたずに受付が終了したとのことで、もうすでに一般のボランティアの方に手伝って頂ける仕事があまりないとのことでした。むしろ住民のコンセンサスを図る作業をしつつ、街づくりの方針をしっかり定め、具体的な解体や建築の工事を進める段階に行かなければならないということでした。東北大地震によって街ごと壊滅的な被害を受けた状況に通ずるものがあり、余計に心が痛みました。
更に避難所の駐車場には昼間に物が置かれており、自分の車を置く場所をキープし、夜にはいわゆる車中泊を行っているということが一目瞭然でした。私もこの期間中レンタカーで二晩、車中泊をしてみたのですが、熱い夜中に車の狭いスペースの中で汗をかきながら寝ようとしても睡眠をとることができず、疲れをとるどころか、逆に疲れが増すような感覚でした。いつ来るか分からない地震、そしてそれ故にぐっすりと眠れない環境がどれほど辛いものであるか体験できたことは良かったと思っています。
熊本地震からもう5か月が経過しようとしています。マスコミの情報が殆どなくなっていく中において、今後豊島区としてどのように熊本地震で被災された方々に寄り添っていくのか。東北大地震による被災者への支援と併せて、今後の方針を教えたいただけたらと思います。
次にリノベーションまちづくりについて質問いたします。博多座のすぐ近くに冷泉荘というリノベーションまちづくりの例として取り上げられるアパートがあります。この場所には、「福岡の古い建物を大切にする考え方の実践(ビルストック活用)」を基本理念に、「ひと」「まち」「文化」を大切に思う人たちが集まっています。築58年を超える昭和のレトロビルに耐震工事を施し、居住者自身の創意工夫で部屋の内装等をし、独自の価値を生んでいるアパートで、昔は大商店街のすぐ近くにありながら、古めかしい建物ということで誰も寄り付かず、機能的に完全に死んでいた建物が今では、いろいろなジャンルの方が生活し、活動する拠点としてリノベーションミュージアム冷泉荘として復活しています。その活動はそこでとどまることを知らず、近くにある第二・第三の冷泉荘を準備中ということでした。冷泉荘のコーディネーターの方ともお話をすることができましたが、発想が本当に柔軟で利用者の視点もしくは生活者の視点で物事を考え、今までのまちづくりの発想とは異なり、多くの方々を引き付ける魅力を感じました。
豊島区においても、まちづくりの新しいアプローチとして「リノベーションまちづくり」が施策に盛り込まれるようになり、参加者が増えてきていることは報告を受けております。東池袋のROYAL ANNEXのカスタムメイド賃貸という手法も、今あるものを活かしながらも新しい住み方を提案するもので、住む人の立場に立った斬新な取組と感じています。
そこで提案します。私がずっと以前から都市計画道路補助81号線の計画実施に伴い、商店街通りがシャッター通りに変わり、将来の展望が見えにくいとして何とか協力をしてほしいと区に依頼をしてきた東池袋の日の出優良商店会においても、このような手法、すなわちリノベーションまちづくりの手法を生かして街の再生に取り組むべきと考えますがいかがでしょうか。空き店舗を利用して、人が集まる場所を意図的に創造し、賑わいを作り出すのです。近隣にある未活用の区有地やたくさんある辻広場、それらの場所も時には利用するといった新しいまちづくりの検討をしてもらいたいと思います。
そして、その商店街の正に真ん中に位置する計画である東池袋五丁目再開発事業の成功と併せてこの商店街の活性化のために豊島区としても全力を傾注してもらいたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。
最後に子宮頸がん予防ワクチンについて質問をいたします。今年の7月27日の朝日新聞によりますと、『子宮頸(けい)がんワクチン接種後の健康被害を訴える15〜22歳の女性63人が27日、国と製薬会社2社に総額約9億4500万円の損害賠償を求める集団訴訟を東京、大阪、名古屋、福岡の4地裁に起こした。体の痛みや歩行困難、視覚障害といった症状を訴え、国と製薬会社はこうした被害を予見できたにもかかわらず回避措置を怠ったと主張している。子宮頸がんワクチンの副作用をめぐる集団提訴は初めて。各地裁に提訴したのは、東京28人、名古屋6人、大阪16人、福岡13人。接種時期は2010年7月〜13年7月で、ほとんどが中高生時だった。訴状では、グラクソ・スミスクライン(GSK)社のワクチン「サーバリックス」(09年国内承認)とMSD社の「ガーダシル」(11年同)について、日本に先行して承認した海外では、死亡例や重症例など多数の副作用が報告されていたと指摘。国は危険性を認識していたにもかかわらず安全性の調査をせず承認し、接種を推奨した責任がある、などと主張している。症状と接種の関係については、接種後に共通の症状が現れていることから「法的因果関係が認められる」とした。
厚生労働省によると、これまでに接種した人は推計で約340万人。今年4月末までに医療機関と製薬会社から報告された「副作用が疑われる例」は約2900件(うち重症は約1600件)に上る。接種は、政府が10年の閣議決定で緊急促進事業に位置づけ、接種費用が全国でほぼ無料になったことから接種者が急増。13年に定期接種にしたが、深刻な被害の訴えが相次ぎ、2カ月後に積極的推奨を中止した。
提訴について、厚労省の担当者は「訴訟については現時点で報道されている以上のことは承知しておらず、コメントは差し控えたい。今後も、子宮頸(けい)がんワクチンの接種後に起きた症状で苦しんでいる方々に、寄り添いながら支援をしていくことが何より重要と考えている」と話した。またグラクソスミス・クライン社は「訴状を受け取っていないのでコメントは差し控える」、メルク社は「訴状を受け取ったら法廷で証拠を提出する考えです」との声明をそれぞれ出した。』
以上、朝日新聞の抜粋ですが、子宮頸がん予防ワクチンについて当初から疑義を呈してきた私にとって、ついにこのような段階に至ることになったかという想いを抱きました。全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の方々とともに、ワクチン製造会社であるグラクソスミス・クライン社やメルク社の本社前に行って、代表者の方が要望書を提出した時に一緒に参加し、その時の二つの会社の不誠実な対応をこの目で見た者としてこの流れは当然だと感じますが、裁判の行方を見守るしか今の私には出来ません。しかしながら、豊島区としては区民の健康問題に関わることでありますので、ぜひともこの問題に関心を持ち、注目をしてもらいたいと考えます。まず、豊島区は前述した集団提訴の事実についてどのような見解を持っているのでしょうか。
私はこの子宮頸がん予防ワクチンについて色々と指摘をしてきましたが、まず大きな問題点としては、新しいワクチンであることから、子宮頸がんそのものを予防する効果はまだ証明されていないということが多くの方々に理解されていないということです。これは厚生労働省が出している資料にも明記されています。更に、厚生労働省におけるワクチン認可のあり方についても疑義が提示されています。それは、薬事・食品衛生審議会の所属委員が製薬会社から献金を受領している委員が多くを占めていたという事実です。これは利益相反といわれても仕方がないのではないでしょうか。国民の健康増進のために適切な判断が下されたとはとても思えません。さらには医学的に因果関係を説明できないとしていますが、被害者となっている女性の皆さんに唯一共通する項目がこのワクチンを接種したことであることから、素人的に判断してもこのワクチンが原因となって被害が生じているということは明らかだと考えます。豊島区におかれましてはこの問題をしっかり注視し、区民の特に未来ある若き女子の健康について万全を期す行動をとってくださいますよう、心からお願い申し上げます。いま世界はワクチンビジネスという危険にさらされています。ビジネスのためには人の健康なんてお構いなしという一部の製薬会社の姿勢があちらこちらで指摘されているのです。豊島区としては、ワクチンの認可は国の仕事でありますが、具体的な接種に関しては地方自治体が行うことになっていることからも、結果として健康被害が出ることがないよう、新しいワクチンが出てくる時にもある意味で警戒感を持って事に当たるよう要望いたします。
豊島区は新庁舎の移転と併せ、旧庁舎の跡地利用による、国際アートカルチャー都市としての文化発信拠点の創造など、今全国から注目を集め、まさしく輝ける都市であると感じています。池袋を中心としたそれぞれの街のポテンシャルはとても高いものがあると確信しております。そのそれぞれの街が更に未来においても輝きを放つために、今回一般質問で疑義を呈したことについて一つ一つきっちりと対応できる豊島区になることを切に願っております。
以上で私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。