●反対討論(第51号議案)

 豊島刷新の会 ふるぼう知生でございます。
私はただ今上程されております第51号議案、すなわち、「豊島区議会議員及び豊島区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例」に反対の立場で討論いたします。
 この条例は、公職選挙法の規定に基づき豊島区議会議員及び豊島区長の選挙における「選挙運動用自動車」の借り上げや燃料、並びに「選挙運動用ポスター」の作成、更には区長選における「ビラ」の公費負担に関して必要な事項を定めるものであります。
 公職選挙法施行令に規定する公営単価については、3年に一度の参議院通常選挙の年にその基準額の見直しを行うとされており、これに基づき本区条例の基準額も見直しをしたところ、平成26年4月より消費税が5%から8%に増税されたことを考慮し、公費負担額等の上限額の引き上げをするというのが今回の条例改正の趣旨であります。
 まず、大前提として選挙の時の公費負担制度については、私はお金のかからない選挙を実現し、立候補の機会均等や候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として使用されている制度として必要であると考えております。
 しかしながら、実際に昨年行われました区議会・区長選挙においてこの制度を利用して支払われた状況や公費負担の金額を選挙管理委員会に尋ねてみると、いろいろな事実が浮き彫りになりました。
まず区議選においては、立候補者が55名でしたが、2名が供託金没収により公費負担を受ける権利を失ったので、53名が公費負担を受けたようです。そして、選挙運動用自動車の借り上げについてはそのうちの40名が申請し、負担額の合計は2,573,088円。一人平均、四捨五入して64,327円、一日平均にすると、9,190円となります。これは本条例における上限額15,300円よりもかなり低い金額となっております。
同じような観点からそれぞれの公費負担について調べてみると、選挙用自動車の燃料については公費負担の申請が7名で負担額の合計が79,090円。一人平均11,299円で、一日平均1,614円となり、本条例における上限額は7,350円となっています。
さらに、ポスターの作成については、53名全員が申請し、負担合計額が18,263,337円。一人平均344,591円となり、上限額は460,634円でありました。
区長選挙においては立候補者が3名で、供託金没収になった人はいません。選挙用自動車の借上げについては、そのうちの2名が申請し、負担額の合計は142,632円。一人平均71,316円で一日平均10,188円となり、上限額は区議選と同じく15,300円です。
そして、選挙用自動車の燃料については申請した人がいなかったようです。また、ポスターの作成については、3名全員が申請し、負担の合計額が980,272円で、一人平均326,757円で上限額は460,634円です。最後に区長選挙のみに使用できるビラについては、3名全員が申請し、負担の合計額が301,800円で一人平均100,600円となりましたが、そのチラシの上限額は116,800円です。
このように調べてみると、豊島区長選挙・区議会議員選挙の公費負担の現状は、ガソリンなど殆ど申請されていない項目もありますし、また申請されているにしても上限額よりはかなりの低額で収まっているものばかりであります。
繰り返しますが、この選挙のときの公費負担の制度はお金のかからない選挙を目指し、立候補の機会均等や候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として使用されている制度であって、現状の金額でその目的は達成されていると考えられ、先ほど説明した現状から考えると、増額をしなければならない理由はどこにもありませんし、むしろ減額しても良いほどです。
過去において、この豊島区の区議会議員選挙においても選挙用自動車の燃料について水増し請求問題が起こったことは、私の中では記憶に新しいところではありますが、このように上限額と現実にかかる金額が乖離しているからこそ、そのような問題が生じる温床を作ってしまったのではないのでしょうか。
区長部局が法律の趣旨に照らし合わせて、このたびの条例改正を提案してきたことは理解をするところではありますが、このような現実があるからこそ、議会はこの提案を受けず、むしろ適正な負担額に減額をするという改革の意思を自ら示さなければならないと考えます。そのためには早期に議会改革検討会を開催し、今まで行ってきたように少数会派の意見も参考にしながら、区民から既得権益と指摘を受けている様々な項目について議論をすべきであります。
桝添前都知事の公私混同問題は、「政治家の資質」や「政治とお金」の問題を都民・区民に提起しています。そのような時だからこそ、私たちはこのようなわずかな金額であったとしても政治家としての見識を示すべきではないでしょうか。
よって、私、豊島刷新の会、ふるぼう知生、並びに豊島区無所属元気の会、小林弘明2名は、第51号議案「豊島区議会議員及び豊島区長の選挙における選挙運動の公費負担に関する条例の一部を改正する条例」に反対します。
以上で、討論を終わります。ご静聴誠にありがとうございました。