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平成27年6月23日 豊島区議会議員 ふるぼう知生
豊島刷新の会 ふるぼう知生でございます。多くの区民の皆様のご支援のおかげで、再び区政壇上に戻ることができました。初当選をさせていただいた8年前の初心を忘れることなく、「区民の皆様と共に、区民の皆様のために」発言をしてまいる所存であります。今定例会において私は、「先見性をもって、豊島区の未来を切り開こう!」と題しまして、1、薬物問題について、2、消滅可能性都市問題について、3、その他として、若年層の投票率向上について一般質問いたします。高野区長はじめ理事者の皆様の明快な答弁をご期待申し上げます。
さて、昨年の6月24日、JR池袋駅西口において脱法ハーブ吸引者による多くの死傷者を出す交通事故が起こり、セーフコミュニティ都市としてWHOの認証を受けている豊島区においては、大きな衝撃が走りました。
そのような危機にあたり、高野区長は脱法ハーブ店撲滅のための運動を本格的に開始し、数日後には区民総決起集会を開催し、厚生労働大臣を招き、マスメディアを通じて、違法薬物撲滅のメッセージを全国に発信してもらい、そのおかげで国民が脱法ハーブ等の違法薬物の恐ろしさを広くそして深く認識することとなり、国や東京都の後押し、さらには警察の頑張りもあって、ついに今年の2月に豊島区は脱法ハーブ店のゼロ宣言を行うことができました。もちろん、その過程で豊島区議会に上程された「豊島区危険ドラッグその他の危険薬物撲滅条例」の制定が大きな役割を果たしたことは言うまでもありません。
事故が起こってからの高野区長の危機管理の対応は見事というしかなく、この問題に先駆的に取り組み、また平成24年の第3回定例会において一般質問をしながら豊島区に実態調査と条例制定を訴え、警鐘を鳴らしていた私にとっては、本当に嬉しくかつ、一区民として心からの感謝を申し上げるところであります。
しかしながら、脱法ハーブ店がなくなったからと言って、問題が全面的に解決したということではありません。むしろ、インターネットという隠れ蓑を使って薬物依存症の人々に裏で売買をしているという実態があります。先日の新聞記事に、危険ドラッグをインターネットで販売していたとして、麻薬取締法違反等の疑いで、5人の男が逮捕されたという記事が出ておりました。逮捕された男たちが経営していた会社は、6種類の危険ドラッグ販売サイトを運営し、これまでに少なくとも十数億円を売り上げていたそうです。このように私たちの知らないところで秘かに売買が成立しているのが現状なのです。彼らは手を変え品を変え、どんなことをしてでも利益を上げようと必死です。結局警察と業者とのイタチごっこが未だに続いている状態です。
この問題を解決する最良にして最大の方策は、供給サイドに対するアプローチ、すなわち販売業者に対する強力な取り締まりよりも、需要側に対するアプローチ、すなわち青少年に対する薬物乱用防止教育であります。文部科学省の薬物乱用防止教育においては、「すべての中学校および高等学校において、年に1回は薬物乱用防止教室を開催するとともに、地域の実情に応じて小学校においても薬物乱用防止教室の開催に努め、警察職員、麻薬取締官OB,学校薬剤師等の協力も得つつ、その指導の一層の充実を図るよう周知に努める」という方針があります。そこで質問します。現在、豊島区で行われている薬物乱用防止教育はどのように行われているのか、小中学校における薬物乱用防止教室の開催状況、あるいはその具体的な方法について教えてください。先ほど申し上げた池袋西口で起こった交通事故前と事故後において、教育の中身に変化があったのかどうか、そして、先ほどから申し上げているように、時には悪なる影響を及ぼすインターネットという環境から青少年を守ってあげなければなりませんが、そのような観点からの薬物乱用防止教育における今後の対策についてどのようにお考えか、お聞かせ下さい。
薬物問題を世界的な視点で見つめてみますと、現在、アメリカ合衆国では23の州とワシントンDCが医療用の大麻を容認する州法を持ち、娯楽用の大麻を合法とする州法はコロラド州やワシントン州、アラスカ州などにおいて施行されているそうです。日本にいると信じられない感覚ですが、アメリカのオバマ大統領でさえ、「子供だった頃に大麻を吸ったことがある。悪い習慣だという点では若い時から、大人になるまで長年吸っていたたばこと大差はない。アルコールよりも危険が大きいとは思わない。」とある雑誌のインタビューで述べたことがあるようです。アメリカがくしゃみをすれば、日本は風邪を引くと言われる関係性の中で、日本においても、今後少なからず影響を受けるであろうことを考えれば、先を見据え、特に現在業者が力を入れているインターネット販売を防いでいく方策を早めに打っていく必要性があると考えます。東京都や警察とも連携し、豊島区にそのような隠れ蓑の場所が存在することがないよう、念には念を入れて、改良すべき余地があれば、条例の改良をも視野にいれてもらいたいと思いますが、いかがお考えでしょうか。
質問の第二は、消滅可能性都市問題についてです。ご承知のとおり、昨年5月に豊島区が民間の研究機関である「日本創成会議」より、東京23区の中で唯一消滅可能性都市であるとしてリストアップされました。その後、いち早く豊島区も緊急対策本部を立ち上げ、様々な対策を講じてくれました。その対策の内容とその後の状況・そして今後に向けての課題等がありましたらお知らせください。
この問題について私は、平成20年第4回定例会において、豊島区においても少子化対策・子育て支援・公教育の充実を図ることにより、世代間のバランスが取れ、活気に満ち溢れる豊島区にしていくべきであると提言しました。その後、豊島区でもそれなりの対策が講じられてきましたが、前述の「日本創成会議」において提唱された消滅可能性都市の中に豊島区がリストアップされてからの高野区長の陣頭指揮は素早いものがありました。緊急対策本部を立ち上げ、20代から30代の子育て世代の女性の方々を中心に集まっていただき、子育て世代の区に対するご要望を伺う機会を作り、そのご要望を施策に反映、予算化してくれました。それによって今年度に新規あるいは拡充された少子化対策・子育て支援に関する事業について簡単にご説明いただけたらと思います。
ここで、私は、区長はじめ理事者の皆様に強く申し上げたいことがあります。この二つのことは私が以前から指摘をしていたことです。全てはトップの決断次第ですから本気になってやればできるのです。区の未来予想図を考えた時に、10年、20年という長いスパンで考えて、政策として遂行しなければならないこともあると考えます。そして優先すべきことは何なのかということをまさしく、先見性をもって議論し、スピーディーに予算化し、事業化するという姿勢が大切だと思うのです。区の予算は単年度予算であることは重々承知しております。しかしながら、脱消滅可能性都市のためには、少なくとも10年、いや20年というスパンで考えなければとても解決は困難であると思われます。そのような問題意識を持って取り組んでいただきたいのです。豊島区としてそのような考え方についてのご意見をお聞かせください。東京都や国の施策においても少しずつ少子化対策・子育て支援施策に理解を示し始めている今、豊島区が先頭を切って先見性のある施策を積極的に展開してもらいたいと思います。
最後に、その他として若年層の投票率の向上について質問いたします。先日、選挙権年齢を現在の20歳以上から、18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が参議院本会議において全会一致で可決・成立しました。来年夏の参議院議員選挙から18歳と19歳の方々にも投票権が付与されることとなります。しっかり判断をして頂くために豊島区においてもその対策が急務であります。
未来の有権者に向けて区内の小中学校における主権者教育も大きく変わってくるはずです。豊島区としてはどのように認識しているのでしょうか。まだ法律が通ったばかりであり、拙速であるかもしれませんが、将来を見据えて早め早めに、自分が社会を構成する一因である自覚をもたせることが必要であると思います。また、せっかく新庁舎になり、議会も新しくなったことでもありますし、積極的に活用し、児童や生徒に政治に対する関心をもってもらい、ゆくゆくは政治家、そして総理大臣を豊島区から輩出させるというような心構えで教育委員会には取り組んでもらいたいと思います。新庁舎の本会議場や委員会室等を有効的に活用する計画はあるのでしょうか?併せて、これは選挙管理委員会の所管になるかと思いますが、若年層を中心とした投票率向上のために、どのような施策を工夫しているのか、先回の統一地方選挙における新しい試みがありましたらその結果についても教えていただきたいと思います。
もっと先見性をもって行動していれば、昨年の脱法ハーブ吸引による事故も防げたのではないかと思うと私は心が痛みます。事件や事故が起こるよりも、未然にそれを防ぐことのほうが良いのですから、セーフコミュニティ都市である豊島区においては、更に進んでそのような意識を持ってもらいたいものです。豊島区には区内で最高の情報が集約されています。またその情報を分析する能力も持ち合わせているはずです。その能力で将来の豊島区を、10年、20年というスパンで先見性を持って予測し、政策を練り上げて実行していくべきだと思うのです。少子化対策を行い、少なくとも希望出生率を達成し、まさに脱消滅可能性都市となるためには、そのような姿勢が必要であります。そしてその姿勢で豊島区の未来を切り開いていきましょう。豊島区が全ての世代において未来永劫光り輝く都市であり続けることを願いながら私の一般質問を終わらせていただきます。ご清聴誠にありがとうございました。