●2012年9月26日一般質問全文 (ワードデータで読みたい方はこちらより右クリックでダウンロードしてください。

「「薬物にNO!」と言える豊島区を目指して。」

みんな・無所属刷新の会 古坊知生

 みんな・無所属刷新の会、古坊知生でございます。私は『「薬物にNO!」と言える豊島区を目指して。』と題しまして、一般質問を行います。高野区長を始め、理事者の皆様の前向きな答弁を期待します。
 最近、脱法ドラッグ特に脱法ハーブの吸引による事故やトラブルが相次いで報道されています。いわずもがなではありますが、脱法ドラッグとは違法でない、つまり法律に基づく取締りの対象になっていない薬物であるが、麻薬と同様の効果を持つ物質の入っている薬物を指します。法に抵触しないように、クリーナーや芳香剤、お香、そして観賞用などと謳って販売されていますが、多くは吸引されており、そこから生まれる症状は幻覚を感じたり、酩酊感を覚えたりと普通のドラッグと同じ症状を起こす危険性の高いものが数多くあります。大阪では脱法ハーブの吸引が原因となり自動車が繁華街を暴走するという事件が起こったことは記憶に新しいところです。このように事件として現れているのは氷山の一角であることを考えると、私たちの知らないところで、しかもすさまじいスピードでこの問題が憂慮すべき事態になっているということは明らかです。
 厚生労働省が薬事法で取り締まる指定薬物を増やしたり、もともと指定薬物だったものを新たに麻薬として指定するなど、いろいろな予防策は講じていますが、店舗やインターネットサイトでのショップでは相変わらず、規制を逃れた薬物が販売されています。少し化学式を変えるだけで、規制を逃れられることから、業者と警察および立法府とのいたちごっこになっているというジレンマがあります。業者は人口の多い繁華街をターゲットにしているという理由から、池袋という繁華街を抱える豊島区においても本腰を入れて対策を取るべきと考えます。そこで質問します。脱法ドラッグ特に脱法ハーブがいまだ蔓延しており、健康被害等も全国各地で出ている中、豊島区としてはこの問題についてどのように認識していますか。また、中にはきちんと調査すれば違法な物質が含まれていることも少なくありませんが、区内において脱法ドラッグに対する調査や実態把握はしているのでしょうか。もししているのであれば、詳細を教えてもらいたいと思います。ともすれば、闇の世界のような話で自分たちとは関係ないかのような認識に陥りがちですが、現実として大きな社会問題になっていることを鑑みて、しっかり調査研究をし、必要な対策を講じるべきです。
 更に、関東圏においても現在は訴えによりなくなっていますが、横浜で脱法ハーブの自動販売機が出現したという事件もありました。大阪では子供がよく買うガチャガチャと同じタイプの脱法ハーブの販売機があり、未来ある青少年が簡単に脱法ドラッグに手を出せる環境になってきていることから、教育現場における徹底した教育、そして啓発の必要が高まっています。豊島区内の小中学校において、現在どのように薬物乱用防止教育を行っていますか。そしてそれを今後より効果的なものにするためにどのような工夫を考えているでしょうか。児童・生徒に対する教育は年一回と言わず、長期休暇前に教育をしておく必要性を訴える専門家の方もいますので、そのことも踏まえてご検討をお願いします。
 東京都においては繁華街である新宿・渋谷・池袋が業者にとって格好のターゲットになっております。その池袋を抱える豊島区において業者の自由な動きを許せば、大塚、巣鴨、目白など近隣の街にまで波及することは確実です。日本薬物対策協会の調査によると、この手の脱法ハーブ店と言える店舗が確認されているだけで、少なくとも池袋駅周辺に6件、大塚駅周辺に2件存在するようです。私も地元の店舗を確認してきましたが、その店の入り口には防犯カメラが設置され、明らかに警戒しているという体をなしていました。豊島区内をくまなく調査して実態を把握し、最終的には条例の制定にまで踏み込んで規制をし、青少年をそのような環境から守らなければなりません。セーフコミュニティの認証取得の内定をいただいている豊島区において、新たな視点としてとらえていただきたいと思います。
東京都は独自で条例を規制して、海外で流行する商品を上陸前に入手し、専門機関で動物実験をし、有害な作用が確認されれば、知事指定薬物に加え、罰則付きで取り締まりながら、いたちごっこの解消の為に努力をしております。この東京都の精神に学び、一番の現場である豊島区も具体的に行動すべきです。この問題は新しい問題でありますが、実は相当根深い問題として社会に蔓延しつつあります。問題が具体的に顕在しつつある今、一番住民に身近な地方自治体が一番汗をかく必要があると考えます。そうすることによって、未来ある若者の心身ともなる健康を守り、地域を守る、そんな豊島区であってほしいと思います。「薬物にNO!」と強く言える豊島区であることを心から願いまして、私の一般質問といたします。ご清聴まことにありがとうございました。