平成20年度(2008年度)予算要望

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平成20年度(2008年度)予算要望
豊島区長 高野之夫 様             刷新の会 古坊 知生

 区民の方々からのご意見・ご要望を踏まえて、平成20年度の予算編成にあたり、下記の内容を要望します。ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。なお要望したいポイントについて先にまとめておきます。

I:日本の良き文化・伝統を守るという観点から、家庭の、地域の、そして学校の正しいあり方を考える。相互に助け合うという素晴らしい日本の民族性を取り戻す。そしてその為の政策を遂行する。
II:現代はインターネットの時代であることから、区民にできる限りの情報をスピーディに、かつオープンにすることが求められている。行政も議会も情報公開を原則とする。
  それが区民参加の区政を促進することになる。
III:豊島区が多くを依頼している組織、例えば町会や商店街および各種の団体の活動に対して、区の支援を更に充実することを検討する。

1. 総務関係
1:個人情報保護法が施行されてから2年となるが、法律の趣旨から逸脱して、区民が過剰な反応を起こしている。区主催でこの法律の趣旨や正しい使い方を啓蒙するセミナーを適宜、開催していただきたい。
2:子育て支援の観点から、私立幼稚園に対する様々な補助の更なる支援を検討していただきたい。
3:各種の職員研修については区民のサービス向上、時間の有効活用、そして徹底したコスト削減を主眼にして実施していただきたい。税金の無駄遣いを徹底してなくすべきである。そのように意識を改革して欲しい。
4:男女共同参画社会を否定はしないが、日本の良き文化、伝統、風習を逸脱することを啓発するような企画があってはならない。行きすぎをチェックできる機関を設置することを検討されたい。
5:役所の中で人事移動が多々あるが、行政の連続性を確保するために引継ぎについては形式的なものに留めず、しっかりと実施して欲しい。また、長きに渡って同じ部署に、あるいは同じポジションにい続けている職員がいないかどうかチェックすることを検討されたい。腐敗の温床となる可能性がある。
6:家具転倒防止器具設置事業の更なる普及と実施の拡大を検討してもらいたい。
7:豊島区が本当に安心して暮らせる街づくりをするために、各種の環境浄化及び防犯団体への助成を更に充実してもらいたい。
8:地域ブランド創出プロジェクトにおいては既に始まっている駒込・大塚・目白はもちろんのこと西部地区においても、人材を投入し地域の方々と協力しながら町おこしを更に進めてもらいたい。
9:指定管理者制度については民間業者による運営のプラス面とマイナス面を検証して慎重に取り扱っていただきたい。公的な機関でやらなければならないものもあると考える。どこまでが公的なものでどこまでが民間でできるか、よく検討して頂きたい。
10:インターネットによる議会中継を早期に導入すべきである。内容については本会議や議員協議会はもちろんのこと、常任委員会や特別委員会についても実施に向けて検討していただきたい。
11:豊島区議会ホームページの更新をできるだけリアルタイムに近づくようにスピードアップしてもらいたい。
12:「広報としま」に載せる内容であるが、信頼できる民間の行事等をもう少し入れられるように基準を緩和してみてはどうか。検討されたい。
13:区政を運営していく中に町会の協力なくしては区政が成り立たないところまで来ている現状を踏まえ、コミュニティ事業補助に対する更なる充実を検討されたい。
14:巣鴨・向原地域安全センター協議会の安心安全の取り組みに敬意を表する。防犯モデル地区としての指定を受けて立ち上がった活動の灯をここで消してはならない。区として来年度のこの団体に対する活動費の補助を検討されたい。

2. 福祉・衛生関係
1:路上生活者対策について本腰を入れて取り組むことを希望したい。人権の問題もあろうが、迷惑を被っている区民の方々が圧倒的に多いことを考慮にいれて、安心・安全な街づくりを目指していただきたい。
2:財政難の中で、敬老という趣旨での補助金がカットされたことは大変残念なことであった。今から復活ということも困難と思われるので、せめて高齢者クラブの活動に対する区の全面的なサポートの充実を検討されたい。
3:高齢化社会が進む中に、定年退職をして第二の人生を歩む方が多くなっている。高齢者の能力を生かすという意味で、シルバー人材センターの有効的活用の促進を希望する。
4:障害者自立支援法の制度により障害者自身の負担が増加している。本当の自立支援は何かということを考え、現場に合った形での豊島区独自の支援を検討されたい。
5:介護事業に携わる方が重労働、低賃金を理由に退職が相次ぎ、介護の現場に更に負担が増えるという悪循環が生じている。このままではこの制度そのものが危機に直面する恐れがある。人材の確保をする為に、報酬をはじめとする介護事業で働く方々の環境を整備する必要性がある。豊島区独自の政策を検討されたい。
6:地域の未来をあるいは、国の未来を考えた時に青少年の健全育成はきわめて重要なテーマである。青少年育成委員会としては、もっと若返りを図るべきと考える。年齢制限を加えるなどして、青少年に近い世代を登用、発掘すべきである。
7:生活保護法に基づき様々な扶助が実施されているが、その費用が年々旧速度に増加している。最低限の社会生活ができる程度に本当に必要な方だけが、最後の砦として受けることができるという本来の趣旨に合うように、チェックを厳しくし、厳正なる審査を求めたい。
8:安心で安全な食品が確保されるためにも、豊島区内の業者にも食品衛生協会と協力しながら偽造のないよう、消費期限や賞味期限等の正しい添付を徹底的に指導することを希望する。
9:飼い猫の避妊問題について一定の補助という考えでなく、多額を要するであろうが、一時期に一挙に全額補助を行い、全面解決するのが有効と考える。野良猫と飼い猫との区別についても方法を検討されたい。
10:民生委員の組織のあり方として、町会長が新しい人材を推薦して資格をもつことを認めていくという制度は間違っていないと思うが、現在の民生委員の留任あるいは解任に対して、町会長が発言権をもつことはいかがなものか。そのような制度自体の再考を求めたい。
11:障害を持った子どもに関しては、保育に関しても児童・生徒に関しても現場に合った適正な配置を希望する。特に私立保育に関しては人件費についても必要な補助をしてほしい。


3. 文化商工・清掃環境・都市整備・土木関係
1:生活産業プラザの利用率が低いことが懸念される。区の施設の中でも最新の設備を整えているにもかかわらず、あまり利用されていないということは、PRが足りないと思われる。利用促進に向けて対応策を講ずるべきである。
2:商店街の活性化のために、様々な助成や事業を行うことは賛同するが、利用している地域に偏りがあると思われる。豊島区全体で利用されるように、利用しやすい制度に見直しをするなり、商店街がやる気を起こさせる内容に変更することを検討されたい。
3:日本経済の大企業だけが好調で、中小企業にはまだその恩恵が来ていないという状況にある。日本経済を支える中小企業を支える意味でも中小商工業融資事業の年利の見直しと、制度のPRを充実させることを検討されたい。
4:豊島区にたくさんの人々が観光目的できてもらうために、観光事業に力を注いでいることは承知している。大きなイベントに対する助成はその規模に見合った形で、適正に配分することを検討されたい。特に大きなイベントに対しては更なる充実を期待したい。大塚に関しては阿波踊りという大きなイベントが行われているが、駅前の再開発も議論されていることであるし、人々の待ち合わせの場所になるような、大塚駅といったら○○○といわれる、町のシンボル的なものを建てることは難しいであろうか。検討されたい。
5:廃プラスチックサーマルリサイクルのモデル地区以外でも、順を追って説明会をあまねく開催していただきたい。区民の理解なしには進められない問題であることから、情報をオープンにして提供し、判断してもらうことが必要と考える。
6:21世紀は環境の世紀といわれる。豊島区が更に環境に配慮した街づくりを行っているというイメージを出すために、より先進的な取り組みを希望する。一案としては「緑の多い街づくり」を提言する。駅舎改築計画が進行している大塚駅をまずモデルにしてみてはどうか。
7:副都心線開通により池袋駅の乗降客数が激減するという予測がなされている昨今、対応策として池袋駅周辺特に東口と西口との交流を図るべく、東西デッキ構想が再び熱を帯びてきた。関係各位との調整が、大変であることは容易に推測できるが、これを逃しては再びチャンスは巡って来ないどころか、池袋駅が単なる通過駅となってしまう。魅力ある街づくり、訪れたい街づくりという観点からも、豊島区の強力なリーダーシップが求められる。新庁舎建設も含めて、豊島区のグランドデザインを詳細に、早急に描き出すべきである。
8:マンション建設時における業者とのトラブルが多発している。いまだ地区計画が定めてられていない地区に対して、地区計画の制度を周知、あるいは紹介してみてはどうか。地区ごとに説明会をしてほしい。
9:大塚駅南口の自転車駐輪場に置いては、地元の方々とよく相談しながら、場所の設定等を検討していただきたい。
10:自転車の駐輪場の整備が急がれるが、自動二輪車の駐輪場のニーズも増加していると聞いている。検討されたい。
11:池袋駅東口のグリーン大通りにLRTを通そうという区を中心として地元の方々の取り組みに一定の評価をするものであるが、区民の盛り上がりがまだ一部の人たちという感はいがめない。LRTをせっかく通すのであれば、豊島区の多くの地域で利用されることが、多くの区民の理解を得やすいと考える。思い切って都電との連携を考え、大塚や庚申塚にもLRTが通るような規模で計画してみてはどうか。

4. 教育関係
1:教育改革に伴い「ゆとり教育」の見直しが進み、総合授業が相対的に減らされ、主要           科目の授業数の増加が進められることになる。結果として教職員の負担が増えること  になるのであるから、教職員の増員あるいは、一学級ごとの児童数を減らすことを検討されたい。
2:教職員のレベルアップを図るため、ベテラン教師の経験とノウハウを生かす制度の導入を図ることを検討されたい。具体的には60歳を過ぎて定年退職になった教職員の中で、教育に情熱のある人を優先的に若手の教職員の指導員となる制度。即ち教職員のための道場を開くことも一案であると考える。その際、「教育豊島」の目指す方向性をはっきりと打ち出し、豊島区独自の教育基本条例等の制定も検討されたい。
3:現代の学校において、教職員の仕事は児童や生徒に対することだけでなく、保護者にどう接するかということも重要な問題になっている。いわゆるモンスターペアレンツ対策は現場の教職員の大きな負担となっており、本来の仕事に集中しづらい環境にある。いろいろな問題に関して、教職員の精神的な負担を少しでも軽減するために、カウンセラーやあるいは本格的にトラブルに対応できる体制作りの強化を検討されたい。
4:子どもを教育する前に親の教育をしなければならないといわれる昨今であるが、親のあり方を問う啓発セミナーのようなものを著名な教育関係者の方を招いて開催してもらいたい。出来るだけ学校単位で行うことが理想である。
5:今後益々増加すると思われる外国人児童や竹の子学級の児童に対して、指導協力者を様々なニーズに対応できるように対策をお願いしたい。
6:小・中学校の改築工事の計画は早急かつ的確に立てるようにお願いしたい。地域の将来を担う子供達に快適な環境を早急に整備してあげることを検討されたい。巨額の投資が必要であるが、教育は未来への投資であると考え、他の部局の予算を削ってでももっと教育関係の予算の配分を手厚くすることを考えて欲しい。
7:公立学校と私立学校の学力の格差が問題となっている。家庭の経済的な理由により子供の学力が決定してしまうなら、「教育の機会均等」はもはや機能しないという状況になってしまう。文部科学省がある程度リーダーシップを発揮して対策を打ち立てるべきと考えるが、豊島区として公立学校の学力向上に向けての取り組みを検討されたい。
8:教育が家庭、学校、地域の三者の一体化によってなされるというのであれば、特に小学校においては学校選択の自由性を強調すると地域との連携が崩れかねない。地域の子どもはその地域の大人が育てるという原点を考えるとき、無益な学校の競争は避けたいところである。どの学校が良いからという理由ではなく、この地域に住むからこそこの学校に通うということが友人を生み、地域愛を育むことにつながると思う。豊島区においては、是非とも教育バウチャー制度に対しては慎重に検討してもらいたい。教育が市場原理の中にさらされてはならない。
9:学校のグランドの芝生化が今話題となっている。都会において自然がどんどん喪失する中に、本来人間が持っていた、感性、感受性というものがなくなりつつあると考える。学校のグランドは都会の中の数少ない子供の思いっきり遊べる場として、自然との触れ合いが子供の感性を高めるためにたいへん寄与することになると確信する。グランドの芝生化を検討されたい。
10:国際性豊かな人間を育成するために英語の授業を行うということは一見、聞こえはいいが日本人として日本語もまともにできないようでは真の国際人になりえない。母国語教育をしっかりすることが先ではないかと考える。日本語の美しさ、敬語などに見られるような対人関係を重視する文化を教えていくことが人格形成に大きく寄与すると思う。英語教育よりも日本語教育の充実を検討されたい。
11:知育・体育・徳育と昔から言われてきたことであるが、特に道徳教育の充実をさらに進めていただきたい。それこそが教育大国として世界から尊敬の眼差しで見られていた日本の教育を復活させる方法であると信ずる。道徳教育研修会を開催し、道徳教育推進協議会を設置しているということであるが、更に顔の見える協議会、高いレベルの道徳教育になるよう希望する。
12:アレルギー児対策加算は代替食材料だけでなく、代替食・除去食提供のための人件費等の必要な補助を検討されたい。
13:私立、区立を問わず、子供達の健全なる育成と発達のためにしっかりと議論し、よい意見を反映する協議機関を立ち上げることを検討されたい。
14:区立保育園の民営化については慎重に検討されたい。保護者の方々や地域の方々にしっかりと経緯や方針の説明を行うべきと考える。
15:男子児童と女子児童が体育の時に分かれて着替えをするが、東京都の指導としては4年生から分かれるようにとの事だ。豊島区もその方針だと聞いているが、現場においてはそうなっていない学校もあると聞いている。現代の子どもは発育が早い。私の小学校時代においても4年生の時から分かれて着替えていたのだから、今の子供達も当然である。しっかりと指導されたい。
16:学校において最近は途中で引越しをしてくる子どもも多いので、特に障害を持つ子どもの場合には状況に応じた臨機応変な対応および人事を検討されたい。

以上