●2007年9月27日一般質問全文 (ワードデータで読みたい方はこちらより右クリックでダウンロードしてください。

 刷新の会、ふるぼう知生でございます。私は「議会人として、地域の住民として」というタイトルで 1.マンション問題と景観条例について 2.街づくりについて 3.その他について初めて一般質問をさせていただきます。高野区長さんや理事者の皆様におかれましては、なにぶんデビュー戦でありますので、失敗がありましたら暖かい目で見守っていただきたいと思います。
 初めにマンション問題と景観条例についてご質問をさせていただきます。最近豊島区のあちらこちらで大・中規模マンションの建設に関連して、地元住民からの苦情が殺到しております。先般の第二定例会におきましても巣鴨五丁目の共同住宅新築工事計画で地元の方々から、業者に対して地元住民との話し合いに誠意を持って対応するようにとの請願があり、採択されたばかりです。今定例会におきましても同じような趣旨の請願がいくつも出ておりますが、根本的には業者から地元の方々と話し合いを持つという姿勢が見えないばかりか、情報開示にしても、突っ込まれれば小出しに出してくるという手法で、地域の方々は少なからず不信感を持っております。その地域の町並みとはかけ離れ、たいへん違和感を感ずるような10階を越え、そして時には30階を越える建物の建設計画が、豊島区のあちこちで大手ゼネコンによって立て続けに計画されております。急激にしかも一挙に起こっているこの問題を、地域住民の方々の立場になって考えると、大変お気の毒でなりません。マンションというものは一旦建てられますと、地域の方々はその環境と、あるいはマンションの住民とお付き合いをしていくわけですから、どういうものが建ち、どういう方がお住まいになるのか、工事中は振動、騒音は大丈夫か、車の交通量が増え子どもたちの安心安全は大丈夫か、電波障害はどうか、ビル風はどうなるのかなどいろいろ心配になるのであります。当然のことでありましょう。であるならば、これだけ同じような請願が出される以上、豊島区においても、もっと住民側にたった施策が求められてくるのではないでしょうか。豊島区ではアメニティ形成条例があり、快適な戸外空間を創出するということを政策として盛り込んでいるようですが、具体的には何の拘束力もなく、区のサイドとしては、こういうふうにしてもらえませんかという風にお願いをするという姿勢に務めなければならない内容になっております。そうであるならば、ある程度拘束力をもち、地域住民の意向が反映されるように誘導できる、もっと住民側に立った条例に踏み込んで行く必要があると思います。平成16年に景観法の改正がなされる中に東京都では景観条例というものを改正し、これを各市区町村にひろげようと協議をすすめているようですが、まずそこから研究をはじめて、豊島区で地域の事情に合わない大・中規模マンション建設を抑制するために、事業者側が建設計画を区に届出をする時からの区の姿勢を、住民側の立場に立って根本的に考え直してみてはどうでしょうか。住民への説明会を一ヶ月に何回かという形で行いそれを義務化する。そして区のほうにきっちりと報告させるようにして、住民との対話をまず完全に実現させるということを重要視してほしいと思います。実態としては、業者側はできるだけ説明会を避けようという姿勢が見え見えだからです。業者側の立場から言えば、説明会に出て地域の方々に示す時点においてはある程度、どういう建物を建てるかということ、そして工期はどうするかということも計算できているわけですから、説明会を行う時点ではもう変更ができないということも考えますと、地域限定で、この地域では何メートル以上の建物は建てられないとかということも検討してみる必要があると思いますがいかがでしょうか。
 私もそういう説明会に参加して双方の立場に立って聞いてみましたけれども、業者側の利潤の追求のためには、地域の声は関係ないというような思惑がみえてしかたがありません。昔はご近所づきあいというものを大切に考え皆で生きていこうといういわゆる共生という考え方があったと思いますが、いやな世の中になってしまいました。区民の生活環境を守ってあげれるのは、区しかありません。そういう意味で、今東京都の市区町村の中で10ぐらいの団体が景観条例について相談をしているということですが、世田谷区などでは、第四定例会において議案として審議するところまできているそうです。高層建築物が立ち並ぶあの新宿区でも、地域により絶対高さ制限を定める条例を施行して、地域ごとに建物の高さを制限しているようですが、豊島区においても、もっと業者側にプレッシャーを与えることができ、結果として地域の事情にそぐわないマンション建設が抑制されるような条例を考えてみてほしいと思います。23区の中でのバランスというものがあると行政側がおっしゃいますが、動き始めている市区町村もあるわけですので、わが豊島区においてもぜひ先駆的に取り組み、審議してほしいと思います。そしてその時に、ぜひとも小中学校や公共施設の近隣における建設物にはプライバシー保護の観点から一定の規制をかけるよう検討してほしいと思います。小中学校にはプールがあり夏場などは多くの子供さんたちが楽しく遊んでいます。私たちの知らないところでずっとその光景が見られているとしたら大変気分の悪いことですし、学校の周辺にどういう人が住むのかということは、学校の安心、安全が叫ばれている中で大変父兄にとっても関心の高いことだと思います。現在高層マンションの建設計画がどんどん進行する中にこの豊島区がなかば狙い撃ちされている状況にあります。だからこそ同じ時期に同じような問題があちらこちらで生じているのであり、ここは一歩踏み込んで、地域住民の方々の心配をなくす、あるいは業者の勝手な都合による大規模開発を抑制する豊島区独自の条例の制定をぜひとも検討していただきたいと思いますがいかがでしょうか。積極的なご答弁を期待します。
 次に、まちづくりということについてお尋ねいたします。私は豊島区の区議会議員でありますので、豊島区全体について考えなければならないと思っておりますが、最初の一般質問でありますので、地元の大塚地区におけるまちづくりについてご質問をさせていただきたいと思います。
 大塚駅の再開発問題では、高野区長さんのご英断があり、トップのゴーサインが出ることにより、急転直下道が開かれ、工事がスタートいたしましたが、最近ではその工事もどんどん進んでまいりました。予期せぬハプニングがあり、完成まで9ヶ月間の延長を余儀なくされはしましたが、22年の3月完成に向けて今度こそ何事もないよう祈るばかりであります。
 私は先日大塚駅の工事の状況を視察する機会に恵まれまして拝見してまいりました。100年も前に造られた駅なのでやはり掘れば掘るほどすごいものが出てきたようです。実際この目で、掘り出された当時の鉄道のレールであるとかコンクリートの塊であるとか、見させていただきましたが、いかにこの工事が大変なものであるかということを肌で感じました。そしてもう少しで地域の方々が頑張ってこられた運動のひとつの結果が出るのだと思うと感慨深いものがありました。しかし問題はこれからだと私は思っております。大塚駅に確かに南北自由通路はできますが、それだけで人が街に集まるという単純な話であるとは思えません。お客さんを呼びたい、沢山の人が集まる街をつくろうという運動があってこそ、本当の街づくりができると思っておりますが、最近そういう運動があちこちで起こっております。この大塚地域でも地域ブランドの創出ということで、「大塚ものがたり」というブランド名を商標登録し、その名前のついたそれぞれのお店の自慢の一品を売り出すという試みがなされており、今までにお酒やお米、あるいはCDなど順調に成果をあげていることは周知の事実でありますが、そういう商店街としての話題づくりとともに必要な要素が、21世紀の街づくりをどうするかという観点だと思います。21世紀の街づくり、それは環境を重視したエコロジーの街の創出だと思います。大塚駅はその駅前広場の面積が山の手線の駅の中でも最も広い部類に入るのだそうです。だからこそその広い面積を有効に活用するだけでなく、環境に先駆けて取り組んでいる街として大塚をそして豊島区をアピールしてもらいたいと思います。エコロジーの街・大塚、環境の豊島区という理想像を描いてください。具体的には環境の象徴としての緑という色を基調とした街、あるいは施設というものを考えてみてはどうでしょうか。そしてできれば先日もあうるすぽっとが開館され、豊島区が新しい都市計画を進めている東池袋駅周辺がどんどんクローズアップされていく中に大塚駅から東池袋駅に延びる導線も東京都のほうで道路計画があることですので、その途中にある大塚台公園をもう少し公衆的に利用しやすいイベント会場のように改築しながら、駅前と緑でつないでいくことによって人の流れを新しくし創出ていくということも考えてみてほしいと思います。イメージ的には大塚駅を降りたらすぐそこに緑あふれる公園があり、いつも楽しく遊べる。災害時にはそこが緊急避難所にもなる。そして緑によってつながった道を歩くとそこにはイベント会場があり、いつもにぎやかにイベントが行われている。そんなイメージを思い描いております。そのためには車の流れやバスの停留所などをどうするかという二次的な問題がありますので、難しい問題であることはまちがいありませんが、大塚という街は町ぐるみで地域のブランドを大切にし、そして環境も大切にしている。駅に行くときには出来るだけ自動車を使わずりんりん自転車とちんちん電車を使用するそんな街にしていこうとする目標をもって地域の商店街の若手のグループとの会議の中では、まとまりつつあります。是非こういう民間の夢物語ともいえる考えではありますが、いいところを取り入れていただき、今の世の中、ふつうのまちづくりをしていては、埋没してしまいますので、是非こういう、環境に配慮した街づくりという地域の意見を積極的に取り入れていただけたらと思いますがいかがでしょうか。
また一方で、現在大塚駅南口の駅前広場地下に1500台収容できる駐輪場を作ろうと考えられていますが、地元の有志で調査をしたところ、北口とあわせて昼間においては約2200台の自転車が駅前において駐輪されている現状を考えますと、もっと広い駐輪場を確保しなければ完全なる駐輪対策といえないのではないか、そもそも地下で造らなければならないものなのかどうか、駐輪所の入口をどこにするのか、そこにおいては、どのような形状にするのか等々、いろいろな議論が交わされております。今までもまた現在でも街の意志をリードしてこられた大塚駅周辺を考える会のメンバーや南大塚ネットワークの若手の有志が議論に議論を重ねてきている内容でありまして、私のひとりごとではございませんので是非メンバーの皆さんと一緒にご検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
副都心開発調査特別委員会で池袋駅においても長い間の懸案事項でありました東口と西口の再開発について具体的な協議がなされ、案も出てくるようになりました。大切なことは地元地域の代表者はもちろんのこと、東武や西武の代表者そして、警察・消防関係も入って本格的にかつ現実的に協議をしているということです。大塚駅は今を逃したら、もう二度と再開発ということから取り残されてしまうと思います。今工事が行われそして自転車駐輪場を作るという計画が出来ているこの機会に小さくまとまるのではなくして、大きな観点から街づくりを考えてみてほしいと思います。本日は私の地元の方々も多数おこしでありますので、明確なご答弁をお願いいたします。
最後に区長さんにお尋ねします。高野区長は区議会議員を経験し、都議会議員を経験し、いわゆる議会人としての長いキャリアがあります。区長になられ、その民間人的な発想と手法により行財政改革を強くおしすすめられ、危機的状況だった豊島区の財政をここまで回復させたという点で私は生意気な言い方かもしれませんが、区長の手腕を高く評価するものであります。その区長さんから見て議会改革について、あるいは今後の議会の姿とはどうあるべきかとういうことについて、所見を述べていただきたいと思います。議会のことは我々議員の中で決めてほしいということもおありでしょうが、出来る範囲で結構ですからお答えください。議員自身の首を絞めることでありますので、私はたとえ議会改革検討委員会というものを立ち上げたにしても積極的な改革の結論が早期に出るとは思えません。ですから区長にリーダーシップを発揮してもらいたいと思っております。ちなみに私の考えは簡単明瞭であります。まず政務調査費の件ですが、世間から批判が高まる中に豊島区においても領収書の添付と情報公開が義務付けられ一応改革したことになっておりますが、政務調査費という定義があいまいな以上、この領収書は使えるとか使えないというそれぞれの解釈に差が生じてしまうと思います。一例をあげれば私はどんなに素晴らしい勉強になる会合に参加しても飲食というものを含んでいるときにそれは単なる飲食費ではないかという批判は避けられないと思いますので、飲食費を含んだものは領収書としては使えないと思っております。しかし他方、その会合は勉強になったのだから政務調査費として使えるという意見もあります。こういう解釈の差が生じやすいということで、政務調査費というものを廃止し、本当に必要なものならば、議員報酬に多少なりとも上乗せをし、議員が自由に使えるお金というものを増やしてあげればいいのではないか。そこから本来の政務調査費としてのお金を議員個人で捻出すればいい。私は今そのように考えております。それから費用弁償制度ですが、議会人という立場にありましても、私はまったく必要がないと思います。私自身区役所に通うのに交通手段は自転車です。ですから交通費は一切かかっておりません。大体日額旅費という言葉も意味不明ですし、おおかたの方が自転車で来られるような状況で、一日に3千円ももらえるということが理解できません。それで私も多くの地方議員が始めたように、法務局に供託することを始めました。私自身は税金の無駄遣いの意識を刷新するという公約を掲げて当選したのでありますから、公約を実行したいとおもっております。全国の地方自治体において費用弁償制度の見直しがなされております。その中には完全に廃止をしたところもあれば神奈川県議会のように実費支給に変えることによって、それまで年間6000万円かかっていたものが1000万円にまで減額され、その予算を違うところに回すことができたという自治体もありますし、23区においても杉並区では真っ先に費用弁償を廃止しております。豊島区においても費用弁償を廃止すれば、昨年度の例を上げれば最低でも700万円は他の必要なところに税金を配分できます。私は今は議会人という立場でありますが、地域の一住民でもあります。ですから区民の目線というものを大切にするという観点からも私は廃止に向けて豊島区が動いていくことを望んでなりません。また私は、議員定数についても疑問をもっております。本当に現在の36名という定数がいいのか、区民の皆様にお聞きしますと、必ず豊島区は議員が多すぎるという言葉を聞きます。豊島区の町会連合会さんを中心として常に議員定数削減という要望が出されていると思いますが、今こそ区民の代表であるならば、町の代表者である町会連合会の要望に真摯に取り組むべきであると思います。四年に一度選挙のたびごとに少しずつ定数を減らし、帳尻を合わせるようなことはやめて豊島区としての適正な議員定数というものを真剣に考えるべきだと思います。私自身は東京23区の議員定数と比較検討しながら大きく削減をしていくべきだと考えます。少数精鋭の区議会が基本だと思うからです。以上私が考える議会改革の理想像ですが、区議会、都議会を経験し、議会人としての実績もさることながら、行政人としての手腕も高く評価されている高野区長の個人的な見識をお聞かせください。以上長々と私見を語らせていただきました。私はこれからも議会人としてというよりも地域の一住民としての目線で、問題に対して是々非々で臨んでいくことをお誓いいたしまして、本日の一般質問を終わらせていただきます。ご静聴まことにありがとうございました。