●平成28年度豊島区一般会計補正予算第6号に対する反対討論

豊島刷新の会、古坊知生でございます。私はただ今上程されております、第71号議案、すなわち平成28年度豊島区一般会計補正予算(第6号)の可決に反対の立場で討論いたします。
最初に申し上げておきますが、この補正予算の大部分については趣旨を理解し賛同をいたします。総務費として計上されている地域安全対策経費や地域防犯力向上事業経費、さらには地域見守り活動支援事業経費の追加はセーフコミュニティとして世界保健機関(WHO)から認証を受けている本区にとって重要な事業であることは論を待ちませんし、福祉費として計上されている災害時要援護者避難・安否確認推進事業経費、総合事業基準緩和サービス従事者育成研修事業経費、障害児通所支援事業経費の追加、私立母子生活支援施設運営助成経費の追加、地域型保育事業運営等関係経費の追加、そして土木費として計上されている池袋西口公園整備事業経費、文化商工費として計上されている雑司ヶ谷情報ステーション管理運営事業経費の追加などはどれも重要な施策であり、必要不可欠な経費であると充分に理解できるものであります。
しかしそれでもやはり私がこの補正予算に賛成できない大きな理由があります。それは衛生費に計上されているB型肝炎ワクチン接種助成事業経費に関してです。以下に反対をする理由を述べますが、ワクチンビジネスという言葉が聞かれるようになっている昨今、その危険性について区役所の理事者をはじめとした職員の皆様、更には議員各位にも再考してもらい、いわば警鐘を鳴らす意味でこの場に立つことを決意いたしました。ぜひ聞いて頂きたいと思います。
まず基本的なことを抑えておきたいと思います。B型肝炎ワクチン接種事業でありますが、今年の10月1日からこのワクチンが任意接種から定期接種になりました。今回の補正予算では、平成28年4月1日以降に生まれた0歳児に、27日以上の間隔をおいて2回接種した後、1回目の接種から139日以上あけて3回目を接種するための費用が計上されています。
現在、0歳児の乳幼児に対して1年間で10数回もの予防接種を受けることになっており、それに今回でプラス3回となるわけですから、乳幼児や保護者への負担がさらに増すということがまず真っ先に懸念されるところです。
そもそも論ですが、B型肝炎とは、B型肝炎ウイルス(HBV)に感染することによって起こる肝臓の病気のことを言います。主に血液や体液を介して感染し、肝臓の細胞内でウイルスが増殖し、肝臓の細胞が壊れて、肝臓の働きが悪くなります。もっと細かく言うと、出生時の母子感染や母親が妊娠中に子宮内、産道で感染するいわゆる垂直感染と、輸血、濃密な接触(性行為など)や薬物常用者の注射器の乱用、刺青、ピアスの穴あけ、不衛生な器具による医療行為、出血を伴なうような民間療法等の水平感染が感染原因として挙げられます。
歴史を振り返ってみると、わが国では、戦後の経済復興に伴い、教育・衛生環境の整備がなされたこともあり、更には1986年にB型肝炎母子感染防止事業として乳児に対する感染防止事業を開始し、ほとんどの母子感染(垂直感染)は防がれるようになりました。日本赤十字社の献血者データによれば、生年別HBs抗原陽性率は、2006年10月から1年間の間に初めて献血をした方のうち、16歳から20歳においては0.042%、16歳から69歳においては0.229%にまで減少したのです。
また、1972年にHBs抗原検査が開始されてからは、輸血によってHBVに感染する人は減少しており、現在ではその危険性はほとんどありません。
ところで、世界保健機関(WHO)は、5歳児のHBVキャリア率(実用的にはHBs抗原陽性率など)をB型肝炎の疫学状況の指標とし、これが2%以下である場合、その地域のB型肝炎はコントロールされているとみなしています。
この数字から分かることは、日本は世界でもB型肝炎をコントロールしている世界的にもわずか16か国の一つであり、ユニバーサルワクチネーションを導入していない国、すなわちセレクティブワクチネーションの国として誇らしい状況にあるということを知らなければなりません。
さて、今回接種しようとしているB型肝炎ワクチンですが、ヘプタバックスUとビームゲンの2種類があって、ヘプタバックスUは子宮頸がんワクチンでも問題となっているMSD社が製造したものであり、ビームゲンは現在厚生労働省で問題視されている化学及血清療法研究所(化血研)が製造したものです。
MSD社の子宮頸がんワクチン被害者への対応の冷たさは以前にもこの場で指摘したことがありますが、不誠実極まりない態度であり、このような会社が製造するワクチンに対して不信感を持たざるを得ませんが、化血研についても、
国の承認と異なる方法で製造していたことが判明していたにもかかわらず、10月4日、日本脳炎ワクチンで新たな不正製造が見つかったとのマスコミ報道がありました。化血研は今年の2月に不正製造を解消したと報告していましたが、違反行為はその後も行われていたということになり、このような体質の会社が製造したワクチンが果たして国民の生命と健康のためのワクチンと成り得るのか、信頼できるはずがありません。
 さらに、この2種類のワクチンは遺伝子組み換え酵母由来の不活化ワクチンであり、酵母アレルギーを持つ人には接種できません。酵母アレルギーを持つ人が少数といえども、事前に分かることには対応が必要です。問診票に注意喚起を促す記述はありますが、それがこのアレルギーに対応する十分な対策となっているとは思えません。生まれたばかりの赤ちゃんが酵母アレルギーを持っているかどうかを医師や両親は知る由もないからです。
 そして、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)やアメリカ食品医薬品局(FDA)が運営しているアメリカのワクチン有害事象報告制度(VAERS)によれば、B型肝炎ワクチン関連の死亡報告が今までに1077例もあり、そのうち3歳以下の乳幼児の死亡例が832例と、実に77%にも及んでいます。アメリカの研究者によれば、VAERSのような受け身の報告システムでは、実際に起こったことの10分の1しか報告されないという見解を述べていますから、この数字の10倍は実際の被害者がいるということが想定されます。
 フランスでは、1994年にこのB型肝炎ワクチンを中学生に一律接種するキャンペーンが行われましたが、多発性硬化症という脳の慢性脱髄性疾患の増加が報告され、4年後の1998年に接種中止となっています。
 乳幼児全員にワクチンを打つと、必ず副反応に苦しむ乳幼児や死者が出る可能性があります。1999年当時、アメリカ内科外科医師会の会長であったジェーン・オリエント医師はアメリカ議会の証言で「B型肝炎ワクチンの重篤な副反応の被害のリスクはB型肝炎のリスクの100倍大きい。」と断言しました。
 ワクチンによって病気を防ぐことができるならばそれは大変素晴らしいことであります。しかしながら一方でそれによって本来健康でいられる人が、副反応によって病気となることは避けなければなりません。ベネフィットよりもリスクが大きいと考えられるものであるならば、それは適切なものであると言えるのでしょうか。私が以前問題ありと指摘した子宮頸がんワクチンも、当初の予想をはるかに超える被害者を生み、現実に大きな社会問題となっています。
 最近では、このHBV感染が、性感染症として流行傾向にあるという問題が浮かび上がってきているようです。今回の定期接種化も、そのような傾向に歯止めをかけることを目的としているのでしょうが、性行為を通じて感染するということであるならば、性教育をしっかり行うということがまず優先的に行うべきことであり、感染の可能性が極めて少なくなっているこの日本において、何も知らない、わからない乳幼児全員にワクチンを接種することで仮にその恩恵にあずかることができたとしても、その100倍のリスクを背負う可能性がある事業に対して補助をするということは公的助成のあり方として正しくないのではないかという懸念を拭い去ることはできません。
 性教育を通じて正しい知識を教え、定期的に健康診断を受診することがB型肝炎を防ぐために最も科学的・論理的かつ合理的な方法であり、正しい税金の使い方と信じるものであります。
よって、以上の理由からB型肝炎ワクチン接種助成事業経費の追加を含んでいる第71号議案、すなわち平成28年度豊島区一般会計補正予算第6号には残念ながら賛成することができず、可決に反対の意思を表明して私の討論を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。