●2009年12月2日一般質問全文 (ワードデータで読みたい方はこちらより右クリックでダウンロードしてください。)

「どの街にも魅力があふれる豊島区を目指して」

刷新の会 古坊 知生 

 刷新の会、古坊知生でございます。私は「どの街にも魅力があふれる豊島区を目指して」と題しまして、1.街づくりについて 2.その他として分権時代の地方議会の在り方について一般質問を行います。区長をはじめ理事者の皆様の前向きな答弁を期待いたします。
最初に街づくりについてですが、豊島区においては各地域ごとに地域ブランドを立ち上げ、地域の個々の発展を促しているところです。JRの駅周辺に絞って申し上げると、まず駒込においては「ソメイヨシノ」の発祥の地ということで、「染井よしの」というお酒を製造販売し、染井よしの桜の里駒込協議会がつくられ、そめいよしの桜の里公園や門と蔵のある広場などの整備を行い、ソメイヨシノを中心とした駒込ブランドを打ち出しております。
 巣鴨では、「とげぬき地蔵」を中心とした地蔵通り商店街は全国的に有名ではありますが、駅ビルの建設に刺激を受け、周辺の商店会も含め地元住民と区が一体となって新たな街づくりを開始しており、巣鴨ブランドに更なる磨きをかけているところです。
池袋に目を転じますと、Echika池袋やEsola池袋など、新しい店舗の開店や西口駅前広場の整備も始まり、区が指導的役割を果たしている東西デッキ構想においては、いろいろと検討する余地はまだあるとは思いますが、新宿、渋谷との競争の中で埋没しかねない状況の中では新しい池袋の可能性を求め、新しい池袋像、池袋ブランドとも言うべきものが見えつつあると考えております。
 目白にしても学習院が隣にあることもあって、以前から文教的かつ雰囲気のある街として注目されておりますし、目白ブランドとして格調の高い落ち着いた街づくりが進行しているところです。
さて、私の地元の大塚ですが、大塚阿波踊りが有名ではありますが、一年に一度の商業祭であり、年間を通じて人を呼べるものではありません。大塚では「大塚ものがたり」という地域ブランドを立ち上げ、それぞれのお店に大塚ものがたりという特徴のある品物を地元のみで販売することによって、地域愛を育み、真のコミュニティのあり方を目指して奮闘中です。地域の青年部の意欲的な取り組みに対して区も積極的に関わっていただいておりまして、ありがたく感じておりますが大塚ブランドと言えば何かと即答できないのが現状ではないでしょうか。大塚ブランドというもののイメージ作りが必要と考えます。そこで大塚の諸問題についていろいろと質問をし、そのイメージを考えるヒントにしたいと思います。
まず、今年の10月17日、大塚駅の南北自由通路が開通し、記念式典と合わせて大塚商人祭りが2日間にわたって盛大に行われ、大塚にもこれだけ多くのお客さんが来てもらえるんだという感激と自信と勇気を地元の人々に与えてくれました。大塚駅の整備事業に関しては多くの政治家の方々のご協力を賜りましたが、何よりも財政的に厳しい状況の中、予算を充てていただいた高野区長のご決断と理事者の皆様のご協力に地元を代表して心から感謝申し上げるところでございます。ありがとうございました。
そのお祝いを兼ねて、2日間にわたり大塚での初めての商人まつりが開催されましたが、区はこのイベントの成果をどのように考えていますか。また来年以降も継続して商人祭りを行いたいと地元の皆さんも言っておられます。ぜひ支援をしていただきたいと思いますがいかがでしょうか。
 次に大塚駅の駅ビルの問題ですが、JR東日本さんが区長に対して建設の意向を示されたという報告を以前聞きましたが、それ以降近隣の方々から私にもいろいろと情報が入ってきております。現在のJR東日本さんの考えについて新しい情報は入っているでしょうか。また仮にその計画が実施された場合、南口の駐輪場の整備や南北の駅前広場の整備に関してスケジュール的にどのような影響が生じると見ているのでしょうか。駅ビルが建つか建たないかで駅のイメージも随分変わりますし、商店会にも大きな影響を及ぼすことになると思います。仮に建つことになるとしても駅ビルと地元の商店会が共存できるように、区のほうのご協力をぜひお願いしたいと思います。
 さて、大塚駅と言えば都電ですが、その沿線には多くのバラが植えられ、道行く人々のひと時の安らぎになっています。南大塚都電沿線協議会の方々を中心に毎月の定例会で手入れ作業が行われておりますし、女性部の方々はほとんど毎日のようにケアーをしてくれています。今年の2月に都電の向原駅から大塚駅に至る区間の一部分が整備されました。これを一刻も早くこの区間全域に広げ大塚の、できるならば東京の大きな観光資源の一つにしたいとメンバーは意気込んでおります。豊島区の全面的なご支援のもと成り立っている事業ではありますが、区のほうからも早く整備したいとのお声もありました。今後の整備計画についてどのように変わってきているのか教えてください。
 また大塚エリアとして私が大変気にしているのが「東池袋まちづくり懇談会」です。造幣局周辺地域の新しい計画が、補助81号線の整備と併せて大塚地域に及ぼす影響が大きいと見ているからです。最近豊島区から渡された資料の中に、この地域の未来像として防災公園として整備する旨の記載がありました。公園の面積が23区の中でも最も狭い本区にとって、公園の整備は喫緊の課題でありますし、ましてやいつ起こるか分からない災害に備えての広場という考え方には賛同をするところです。勿論この計画は決定したものではないことも承知の上ですが、大きなマンションが立ち並び、かつ建設中のマンションもある。これだけ広い面積を有するこの場所には、子育て支援やいろいろな世代の憩いの広場という観点も必要になると考えます。区としてどのような観点からこの地域の未来像を考えているのか、今言える範囲でできる限りお示しいただきたいと思います。
 また、先にも触れましたが、補助81号線の整備についても防災用の道路を整備するという観点のみではなく、環境的な視点を今考えている計画以上にもっと工夫して盛り込むべきと考えますが、区としての見解はどうでしょうか。木々を植えて緑を増やすということはもちろんのことですが、これはあくまでも一例ですが、水が流れるようにして少しでも潤いや涼しさというものを感じさせられるような工夫をし、自然と共生という視点も必要なのではないかと考えます。勿論東京都の事業ですから、区としても意見を述べるには限界があるかと思いますが、地域の意見がより反映されるようにしてもらいたいと思います。
また町おこしという観点から考えると、地域にはその地域独特の財産、つまり文化財と言えるようなものがまだいっぱい隠れていると思います。それらを掘り起こしてPRしていくという事業も必要な視点だと思います。どこから見ても誰から見ても普遍的に価値があるとは思えなくても、地域にとって独特の事情、あるいはこれから益々歴史的価値の高まるようなものも積極的に区の文化財として認め保護していく。そして多くの方に来ていただき、町おこしにつなげる。訪れてみたい街大塚、豊島区を目指してほしいものです。
このように地域のいろいろな問題を考えてみますと、私は大塚という街においては21世紀に相応しい街づくりというもの、具体的には環境に配慮し、訪れてみたい街、すなわち「安らぎ、憩い、癒し」というテーマを考えてみてはどうかと思うのです。先日発足いたしました「おおつか音楽振興会」はまさにそういうテーマをもちつつ、大塚をアピールしていこうとするものであり、区長を始め国会、都議会、地元の区議会の議員も大勢お越しになり激励をしていただきました。大塚の街はインフラにおいても、人々に接しても安らぎや憩いや癒しを感じる。訪れてみたい街。そんな街を築き上げていけたらなと私は考えています。ぜひこれからも一緒に大塚地域の未来を考えてほしいと思います。
 その他として、議会のあり方について一点だけ質問をさせていただきます。
 国政においては政権交代がなされ、地方分権、地域主権をマニフェストに掲げた民主党の政策が以前よりスピーディに進むことが予想されます。地方分権や地域主権は議会のあり方までも見直すことにつながります。二元代表制をとっている地方議会のあり方については、我々議員が真剣に議論し、時代に合った不断の議会改革に努めなければなりませんが、議員が議員らしくあるためには単に区長部局の提出する議案に対して賛成か反対か議決をすることだけで終わってはいけないと考えます。議員がせっかく持っている政策条例提出権を使いどんどん政策を条例化して区民のニーズに応えていくべきです。そのためには、議員もしっかり勉強しなければなりませんが、区議会事務局に法務に強く、政策条例づくりに協力をしてくれる人材を置くことが必要であると考えます。考えても見てください。区長は2000人近くの部下を率いて、仕事をしているわけです。その役所の方々はその分野のエキスパートです。我々議員一人一人は地域の代表でありますが、もともと法律家ではない人がほとんどです。区長部局と対等に議論をすることに無理があると思うのです。ましてや地域主権などといわれている今日、地方議会にもより高度な判断や、住民の代表として政策条例をつくることの必要性は日一日と高まっています。区長部局と議会が、それぞれ区民のための政策提言をし、真剣に議論するというその本来の役割を果たさなければなりません。ぜひご検討をお願いします。
 以上で私の一般質問を終わります。ご清聴誠にありがとうございました。